パソコンスキルの教科書

パソコンスキルの教科書

東京大学大学院卒。博士課程に進学を志すも、担当教授と折が合わず、無職になる。医者を目指すも結局断念。田舎で派遣社員として働く。「スキルがなければ、仕事ももらえない」と悟り、ビジネススキルを学ぶ。プログラミング、英語を学び、一部上場企業へ転職。年間100時間以上の業務効率化を行い、社内講師に抜擢。海外の案件を担当し、数億円のプロジェクトに携わる。個人の事業でも、月売上100万を達成。現在は、自分の価値を高めるためのスキル向上支援を行う

エクセルの動作が重いときの17の解消法|遅くなる原因から動作停止の改善まで

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「エクセルが重くて、なんか不安定…軽くしたい!」
「応答しない、停止になって、プログラムを終了~と表示される」
「なんだかエクセルの動作が遅い、鈍い、おかしい…」
「Excelマクロでプログラムの動作が遅く、応答しない、改善できない」

こんなふうに、エクセルの動作が重いせいで、ムダな時間を費やしていませんか?

あまりに動作が重い場合は、ファイルが壊れてしまう可能性もありますので、早めに対処が必要です。

この記事では、企業でパソコン講師をしていた私が、あなたに少しでも早く、かつ安全にエクセル仕事をするために、

「エクセルの動作が重い原因と対策」をご紹介いたします。

エクセルの動作だけでなく、エクセルVBAやマクロに関しても、対策を紹介しますので、チェックシートとして使ってみてください。

エクセルの動作が重くなる7つの原因

「動作が重い」、「メッセージが出てきた」、「エクセルの起動が遅い」と感じたときは、まずは以下の7つを確認してみてください。

エクセルの動作が重くなる原因

[1] エクセルファイルサイズが大きい
[2] エクセルの関数、数式、リンク、機能をムダ使い
[3] 処理対象のデータ量が多い(1000行を超えるなど)
[4] エクセルや使用デバイスがそもそも重い
[5] メモリ不足のエラーメッセージがでた
[6] エクセルが起動しなくなった
[7] どうしてもわからないとき

それでは、一つずつ説明していきますので、このまま読み進めていってください。

原因1|エクセルファイル容量が大きく、ファイルを開くのが遅い

エクセルに限らず、シートがたくさん存在すると、ファイル容量(サイズ)が大きくなります。ファイルサイズが大きいと、処理が重くなりがちです。ファイルサイズが大きいエクセルの特徴は、以下のものがあります。

・ファイルがなかなか開かない
・コピー&ペーストに時間がかかる
・ファイルの保存に時間がかかる
・フリーズしやすい
・スクロールしたとき、動作が遅い

もし、上記の特徴が見られたら、ファイル容量を確認しましょう。とくに、特定ファイルのときだけ、ファイルを開くのに時間がかかる場合は、かなり怪しいです。

ファイル容量(サイズ)は、エクセルファイルのプロパティでチェックできます。画像の赤枠部分。

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エクセルで500kbを越えると、かなり重たいです。500kbを超えているということは、データ量が1000行近く入力されているはずです。

もし、500kbもあるのに、データ量が少ない場合は、ここで紹介する改善策を行ってみてください。

ですので、ファイルサイズを小さくする方法を紹介していきます

対策1|セル「A1」から離れた最終行のセルの関数、文字、数値、書式を削除

エクセルファイルのシートのどれかに、セル「A1」から明らかにかけ離れたセルに、意味なく関数、値、書式が存在する場合があります。

たとえば
・セル「A20000」に「5」が入っている。
・セル「BA30000」に黄色になっている。
・セル「EB40000」に関数(=sum)、条件付き書式が入っている。など

これを見つけるには、

1.スクロールバーが明らかに小さいシートをチェック

シートをショートカットキー[Ctrl] + [PageUp] や[Ctrl] + [PageDown]で動かしながら、エクセルシート内の右にある「スクロールバー」をチェックして、明らかに小さい場合を探しましょう。

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小さい=シートの下になにか存在する可能性があります。

2.各シートで、ショートカットキー [Ctrl] + [End]で最終行をチェック

このショートカットキーを使うと、シートで使われているセル範囲の末端(最終行)に移動できます。移動した位置をみて、余計なセルに何かが書き込まれていないか?を判断します。

たとえば、1~10までの値しか入力されていないシート。でも、スクロールバーを見ると、小さい。

そこで、[Ctrl] + [End]でチェックしてみると、

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このように、関係ないセルに値が入力されていたりします。これが、容量を重くしている原因です。

もしムダな関数、計算式、値、書式を見つけたら、必要なものだけ残してあとはすべて削除です。不要な行の上手な削除方法はこちらの記事を読んでみてください。

www.fastclassinfo.com

なお、不要なものを削除しても、すぐにはスクロールバーの長さに反映されません。ですので、問題解消したかどうかの確認にあたっては、当該ファイルはいったん閉じて再起動することをオススメします。

対策2|不要なシートを削除(隠しシートの場合も削除)

1つのファイルにシートが多く存在する場合は、エクセルファイルを複数に分割することをオススメします。実際の事例で、シートが75コもある場合がありました。75もあると、ファイルが重くなります。

ですので、対策としては、使わないシートがあるなら、どんどん削除しつつ、元のデータと、レポートは別々のファイルに分けることをオススメします。

月毎や週毎のレポートは別ファイルへ移動すると、ファイルが軽くなります。

また、他の可能性として、隠しシートが存在する場合があります。シートタブを右クリックし、[再表示]になっている隠しシートがないか?も検討してみてください。

対策3|非表示の列や行を削除

非表示になっている行や列があると、見た目のデータは少ないけど、かなりファイルが重くなります。ですので、非表示になっている列や行は、ガンガン消していきましょう。

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対策4|エクセルシートに貼られている画像を削除/軽くする

エクセルに画像を貼っていると、一気にファイルが重くなります。不要な画像は削除しましょう。

ただし、画像が非表示になっている場合があるので、その場合は、以下の手順で画像を見つけて、削除することができます。

不要な画像を削除する手順

1.ジャンプを開く:Ctrl + G
2.セル選択(S)をクリック
選択オプションのダイアログが開く
3.オブジェクト(B)をクリック
4.OKをクリック 画像が全て選択された状態になる 5.Deleteボタンを押すと、画像がすべて削除される

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選択オプションのダイアログが開いたら、

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OKをクリックすると、画像(図形含む)を選択した状態になります。(下図)

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選択されている画像が不要であれば、Deleteボタンで削除できます。

おまけ「どうしても画像ファイルを削除したくない場合」
貼り付ける時点で、図を軽くする:[挿入]→[図]→[画像]
この方法で、ファイルを貼り付けると、サイズを軽くできます。

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上の画像の手順で、画像を挿入しましょう。

対策5|フォント設定やセルの色の種類を絞る

フォント設定やセルの色などの書式設定のパターンがファイル内でたくさんあると、エクセルファイルの挙動が重たくなることがあります。

「赤は危険」「黄色は要確認」「青はOK」「水色はたぶんOK」「太字は注意喚起」…というカンジで、いろいろとフォントやセルの色を使い分けると、重くなることがあります。

書式については、簡単なルールを決めて、それ以外のことはしないのがおすすめです。色や文字の大きさではなく、表の列を増やし、そこに情報を入れるようにしましょう。

原因2|エクセルの関数、数式、リンク、機能をムダ使い

エクセルには、作業効率をアップする機能がたくさんあります。関数、数式、リンク、名前など。しかし、使いすぎると、エクセルファイルが重くなる原因になります。

対策6|条件付き書式を削除

条件付き書式を使っていると、重くなります。この機能は使えば使うほど、どんどん重くなるので、注意が必要です。

しかし、どのセルに条件付き書式が適用されているかわかりづらいので、以下の手順で、条件付き書式を見つけるとよいでしょう。

条件付き書式を見つける手順

1.エクセルのタブ「ホーム」を選択
2.条件付き書式
3.ルールの管理(R)
4.書式ルールの表示(S)「現在の選択範囲」を「このワークシート」に変更

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これで、条件付き書式を有無を見つけることができます。

対策7|エクセルファイルの共有機能をOFF

エクセルファイルを共有機能をONにしていると、多くの人が同時にファイルを開けるようになります。その代わりに、たくさんの人が同時に開くと、ファイルが重くなります。

共有機能の解除方法は以下の通りです。

共有機能の解除方法

1.タブ[校閲]をクリック
2.[ブックの共有]をクリック
3.[複数のユーザーによる同時編集~~]のチェックをはすず
4.[OK]をクリック

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私も経験したことがありますが、5人が同時に使うと、かなり重くなります。ですので、極力、共有機能はOFFにしておくことをオススメします。

対策8|ワークシート関数を削除、もしくは再計算を停止

ワークシート関数とは、vlookupやsumif関数のことです。

実は、セルに編集があるたびに、開かれている「すべてのエクセルファイル」の「すべてのシート」の「すべてのワークシート関数」で再計算されます。

これが何を意味するかというと、

ワークシート関数があればあるほど、関数の計算が遅くなり、エクセルマクロの動作が重たくなります。もし、計算量の多い関数(vlookup,sumif,sumproductは要注意)が含まれていると、もっと重たくなります。

もし、ワークシート関数の自動計算を設定しているなら、手動計算に切り替えましょう。切り替えの方法はコチラ

ワークシート関数の計算方法を切り替える手順

1.タブ[数式]をクリック
2.[計算方法の設定]をクリック
3.[手動(M)]をクリック

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あなたが、エクセルマクロを書けるのだったら、vlookup,sumif,sumproductを使わず、マクロに変えると一気に軽くすることができます。

対策9|使っていないエクセルファイルは閉じる(再計算を防止)

複数のエクセルファイルも同時に多数開いていると、重くなります。そのエクセルファイルに関数が含まれていると、さらに重くなります。

理由は、対策7と同じです。セルで編集がある都度、開かれているすべてのエクセルファイル内の、すべてのシートの、すべてのワークシート関数のすべてが再計算されるからです。

ですので、マクロ実行時には余計なエクセルファイルは閉じる。それだけでもパフォーマンスはあがります。

対策10|定期的にエクセルが一瞬停止するなら、自動保存の設定を変更

数分に1回など、定期的にExcelの動きが一瞬止まりませんか?

それは、自動保存の設定が考えられます。もし不要なら、設定を解除しましょう。

Excel2010の場合で説明します

[1] [ファイル]をクリック
[2] [オプション]をクリック
[3] [保存]をクリック
[4] 「次の間隔で自動回復用データを~」のチェックを外す

画像は[3]と[4]のステップのみを示しています。

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ただし、突然のファイル破損が不安な場合は、自動保存はそのままにしておいてもいいかもしれません。

原因3|処理対象のデータ量が多い(1000行を超えるなど)

まず、データ量が多いのは、ある意味、仕方がありません。

たとえば、100000件分のデータを処理するときは、100件分のデータ処理より、時間がかかるのは当然です。

少しでも、エクセルの処理を早くする方法としては、以下の方法があります。

対策11|処理の負荷を下げる(ワークシート関数の場合)

一言で処理といっても、処理のしかたによって、エクセルへの負荷は変わります。まずは、ワークシート関数の負荷を減らす方法です。

ワークシート関数を「手動」で再計算するようにする。これは、対策7でやり方を紹介していますので、参考にしてみてください。

エクセルのワークシート関数を使っている場合は、マクロにしましょう。マクロにすると、ワークシート関数では考えられないくらい軽くなるからです

その前に、「エクセルマクロってなに?」と思われたあなたは、こちらの記事をご覧ください。

www.fastclassinfo.com

対策12|処理の負荷を下げる(VBAの場合)

エクセル関数やエクセルマクロのスキルアップで、ムダを削ることができます。

エクセル関数を使っている場合は、マクロにしたほうが軽くなりますし、処理はグッと早くなります。また、マクロを使える方でも、「配列」を使いこなせる人は、短いコードで、高速で処理できます。

以下にVBAで処理を早くする方法(コード)を紹介しておきます。

1.スクリーンの更新を解除

Application.ScreenUpdating = False
'''[code]
Application.ScreenUpdating = True

スクリーンの更新を解除できるので、処理が早くなります。なお、Application.ScreenUpdating = Trueを入れておかないと、痛い目をみるので、入れ忘れないようにしましょう。

2.Selectを使わない

'''遅い事例
    Range("C1").Select
    ActiveCell.Value = "100"
    Range("C2").Select
    ActiveCell.Value = "200"
    Range("C3").Select
    ActiveCell.Value = "300"
    
'''早い事例
    Range("C1").Value = "100"
    Range("C2").Value = "200"
    Range("C3").Value = "300"

Selectを使うと、遅くなるので、できる限りselectは避けましょう。 ちなみに、遅い事例も、早い事例も同じ結果になります。

他にも配列を使う、With Statementを使うと、グッと処理が早くなります。エクセルマクロの処理を高速化したいなら、こちらの記事を合わせて読んでみて下さい。

www.fastclassinfo.com

もしエクセルマクロの設定な上手な使い方を知りたいなら、こちらの無料動画もオススメです。

原因4|エクセルや使用デバイスがそもそも重い

使用するエクセルやデバイスに問題があると、処理が遅くなりがちです。しかし、エクセルの問題なのか?それともデバイスの問題なのか?が分かりづらいときがあります。ですので、まずは、原因の所在を検証しましょう。

原因の所在を確かめたら、対策を打ちましょう。

対策13|問題はExcelか?パソコンか?

まず、把握しておきたいこととして、エクセルの問題なのか?それともデバイスの問題なのか?の特定です。

エクセルか使用デバイスに問題があるかを探る方法は以下のものがあります。

1.他の人のパソコンで、同じエクセルファイルを開いてみる
→問題が発生する:エクセルファイルに問題がある
→問題が発生しない:自分のデバイスに問題がある

2.自分のパソコンで、他のエクセルファイルを開いてみる
→問題が発生する:自分のデバイスに問題がある
→問題が発生しない:元のエクセルファイルに問題がある

この2つをやってみると、問題のアタリがつきます。

対策14|エクセルのアドイン除去、エクセル2007の使用

エクセルにアドインがたくさんインストールされていると、重くなります。アドインとは、RelaxTools Addinなどの、通常のエクセルにプラスの機能をもたせることです。

エクセルに入っているアドインについては、使うもの以外すべてアンインストールすることをオススメします。アドインを確認する方法は以下のとおりです。

1.タブ[ファイル]をクリック
2.オプションをクリック
3.アドインをクリック
4.不要なアドインを削除

また2010以降よりも2007のほうが動作が安定しています。エクセルは2007を使うことを推奨します。他の手段として、自分のパソコンを再起動して、元のエクセルファイルを開いてみると、問題が解決している場合があります。ですので、まずは、パソコンを再起動するのもアリです

対策15|パソコンを軽くする

パソコンそのものが重くなる原因は、以下のものがあります。

・パソコンがそもそも古い
・ムダにソフトウェアが動いている
・ほかのアプリをたくさん起動している
・ウィルスソフトが外部との通信を常時実行

[Ctrl] + [Alt] + [Esc]でタスクマネージャーを起動できますので、パソコンが重くなっているかどうかは、それをみてチェックできます。

もし、パソコンが重くなっている場合は、

・windowsを初期化して再インストール
・エクセルの再インストール

といった対策をとることをオススメします。

原因5|メモリ不足のエラーメッセージがでた

メモリ不足のエラーメッセージが出るパターンはいくつかの要因が考えられます。ここでは、代表的な2つを紹介します。

1.紹介した原因が組み合わさって、メモリが不足
2.設定による影響

1については、ここまでの原因を一つずつ対処すれば、解決します。とくにシート数が多い場合は、原因になりやすいので、チェックしてみてください。

対策16|エクセルの保護設定を変更する

2については、解決法は以下です。ただし、こちらの方法は、エクセルの保護などを管理している部分です。したがって、他の対処法を試した上で、どうしても…という場合だけ、試すことを推奨します。

1.タブ[ファイル]をクリック
2.[オプション]をクリック
3.セキュリティセンターをクリック
4.右側のセキュリティセンターの設定(T)…をクリック
5.「保護ビュー」をクリック。 6.チェックボックス(3つ)をすべてはずす。

原因6|エクセルが起動しなくなった

起動しない場合は、エクセルやエクセルの設定ファイルが破損している可能性があります。この場合は、Excelの設定ファイルを直すと解決することがあります。

対策17|Excelの設定ファイルを初期化する

Excelの設定ファイルを初期化する手順

Excelを一度、完全に閉じてから次のフォルダを開く
C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Roaming\Microsoft\Excelのフォルダをクリック
このフォルダ内の「Excel■■.xlb」をExcel■■-bak.xlb」といった名称に変更
Excelを起動し、動作を確認

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なお、エクスプローラのアドレスに「%appdata%」と入力すると、「C:\Users(ユーザー名)\AppData\Roaming」に相当するフォルダに行けます。

エクスプローラーのアドレスとは、画像の上側の赤枠です。

原因7|どうしてもわからないとき

「知っている人に聞く」ということです。エクセル関数に詳しい人、エクセルマクロを書ける人は、エクセルに詳しい場合が多いです。周囲を見渡して、そういう方に質問できるように、関係を構築しておくのがいいでしょう。

仕事を早く終わらせたいなら

エクセルの処理が遅い場合の対処法について、紹介してきました。この記事で紹介した内容を活用すれば、作業の進みが改善できるでしょう。しかし、どうせなら、エクセルの動作を元通りのスピードに戻すだけではなく、もっと早く作業をこなしたい!と思いませんか?

実は、仕事の効率性はパソコンスキルを向上させることで、劇的に改善します。もしパソコン仕事を早く終わらせたい!と考えているなら、こちらの記事がオススメです。

パソコン仕事をもっと早くこなせるようになりたいなら

www.fastclassinfo.com

パソコンでの仕事を苦手に感じているなら

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もし、動画で学びたいなら、こちらの無料動画講座もオススメです。内容もかなり充実しているので、パソコンのスキルアップにはとてもオススメです。ぜひチャレンジしてみてくださいね。