パソコンスキルの教科書

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東京大学大学院卒。博士課程に進学を志すも、担当教授と折が合わず、無職になる。医者を目指すも結局断念。田舎で派遣社員として働く。「スキルがなければ、仕事ももらえない」と悟り、ビジネススキルを学ぶ。プログラミング、英語を学び、一部上場企業へ転職。年間100時間以上の業務効率化を行い、社内講師に抜擢。海外の案件を担当し、数億円のプロジェクトに携わる。個人の事業でも、月売上100万を達成。現在は、自分の価値を高めるためのスキル向上支援を行う

会議運営を効率化!無駄な会議を改善する9つのコツ|ルールや手法を見直そう

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「会社の会議やミーティングにムダが多い」と感じてる人は少なくありません。

実際に、リクナビが集計したデータによると

会議のムダについて f:id:gene320:20170117000016j:plain

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[出典]http://next.rikunabi.com/tech/docs/ct_s03600.jsp?p=000140

実は、私も会議やミーティングだけで一日が終わってしまう経験をしたことがあります。自分の仕事に取り掛かるのは15時からという日も少なくありませんでした。

このとき、アジェンダを意識したり上手な議事録作成方法を考える人は多いです。しかし、それだけでは足りません。

会議に対する考え方を変えたり、効果の高いミーティングの進め方を学ばない限り変わることないのです。そこで、正しい会議のやり方を紹介します。

成果が出る会議を行うための9つのコツ

なぜ無駄な会議が多いのか?特徴や原因

会議を開催すれば、問題解決の方向性を決めたり良いアイデアや意見を考えたりすることができます。

一方で、会議に参加した後に「時間のムダだった」と感じることもあります。実際、業務時間の大半がムダな会議に占有されてしまう人は少なくないのです。

なぜ、無駄だったと感じるのでしょうか。その理由は簡単で、会議の正しいやり方を知らないからです。

そのため、とりあえず会議を開催してしまうのです。しかし、何でも会議を開催すればいいわけではありません。

より生産性の高い会議を開催する方法を押さえておかないと、参加者全員の時間を奪ってしまうことになります。

そこで、まず無駄な会議の特徴や原因を紹介します。

無駄な会議に見られる特徴

無駄な会議には共通する特徴があります。会議に出席したとき、このような雰囲気を感じると、会議はうまくいかないものです。

その特徴とは、主に以下の5つです。

特徴 内容 事例
1.目的や目標がない 会議の最初に「今日の会議では○○をしたい」、「この会議終了時に△△の状態になりたい」といったことが示されない 定例会議、報告会議にありがち。メールで情報共有すればよかったと言われるような会議のこと
2.メンバーが多い 会議出席者がやたら多い。会議の種類にもよるが、5人もいれば目的を達成できることも少なくない 「これまでの会議で呼んでいたから」という理由で慣習的に人を呼ぶ会議
3.結論が出ない・先延ばしにする 会議の最後に「次の会議で続きを協議しましょう」となる 最初のたたき台になるような意見がない。会議の開催者が「何が課題か分かっていない」まま開催される会議
4.資料が多い 会議で見せる資料が多い、不要な資料まで準備されている 提案や報告の資料ばかりで何を決めたいのか分からない会議。「そもそもの目的は?」と聞きたくなる会議
5.会議が終わらない タイムマネジメントがない会議、議論を収集し、まとめる人がいない 議論が盛り上がり、30分超過してしまうような会議。誰かが意見を言うのを待つ。終わるだけを待つような会議

上記のような特徴がある会議は、無駄が潜んでいる可能性が高いです。

何も生まない会議になってしまう原因

上述のように無駄な会議には特徴があります。しかし、こういった会議が起こるのはなぜでしょうか。

その理由はシンプルで「そもそも会議とは何をするためのものか?」を理解していないからです。

「会議とは何をするためのものか?」といえば、情報共有、問題提起、ブレイクストーミング(アイデア出し)、意見交換、勉強会と様々です。

しかし、生産性の高い会議では以下のことを行う場です。

・意志決定をする場(判断)
・約束を決める場(スケジュールとコミットメント)
・問題解決を行う場(よくなる方法を共有)

このように、「次に何をするかを決める」ための場です。

特に、その意思決定によって周囲の何十人、何百人のやること・仕事が変わるような案件の場合、会議で意思決定をすることをお勧めします。

ただ、会議を開く場合には、会議で決める内容と事前準備で対応することを分けましょう。

以下で、具体的な事例を使って説明します。

効果の高い会議に改善するための具体事例

無駄な会議の特徴や原因が分かっても、それだけではイメージがつきにくいものです。そこで、私が実践した事例で紹介していきます。

例えば、私は新しい取引先から要望された資料作成の会議に参加したことがあります。

分かりやすくいうと、取引先から指定された資料を誰が作成するかを決める会議に出席したのです。

この取引先は数億円プロジェクトなので、慎重に資料を作成する必要がありました。

しかし、その会議は無駄と感じざるを得ませんでした。なぜなら、メールで共有すれば内容まで、会議で話し合ったからです。

以下に、実際の会議で協議されたこと(左)と会議の改善点(右)を表にしました。

無駄な会議の進め方 具体的な改善点
会議の場で、取引先から要望された資料を読み合わせる 事前に、担当者が読みこみ要望資料を把握しておく。
会議の場で、要望された資料の内、過去の資料で転用できないか話し合う 事前に、過去資料で転用できそうな資料を探しておく
会議の場で、他部署の誰にお願いをするか決める 事前に、他部署の担当者に出席依頼を出しておく
会議の場で、いつまでに作成が必要か協議する 事前に、資料作成や資料英訳も含めて予測期間を提示しておく

上記の左で記載した会議内容だったので、無駄を感じてしまいました。また、要求資料の読み合わせから始めたので、会議が予定していた時間通りに終わりませんでした。

ではどうすればよかったのでしょうか。それは右に記載した内容を準備しておくことです。

そうすれば、会議の流れがとてもスムーズになります。しかも、効果の高い会議を変えることができます。

なぜなら、準備があれば、会議出席者が考えたり悩んだりする時間を減らせるからです。

例えば、要求されている仕様のたたき台があれば、具体的な解決策をイメージしやすいです。

その結果、「ここが足りない」や「これを追加しよう」といった意見が出てくるのです。そうすれば、短い時間で最終成果物に近づけます。

しかし、準備不足だと要求されている内容を全員でチェックするところから始めることになるのです。そのため、時間が足りなくなってしまいます。

効果の高い会議では、「これでいく」という意思決定に時間を使えるようにするのが重要です。そのためには、準備が大切になってくるのです。

効果の高い会議に変えるための9つのコツ|ルールからツールまで

無駄の多い会議が習慣化すると、会議の時間が増えてしまいます。会議のための会議が発生し、一日が会議で埋まってしまうのです。

しかし、「つまらないミーティング」→「いいミーティング」に変えると、こうなります。

・「やったことの確認」→「次にやることが決まる」
・「誰かが言ってくれる」→「皆で言いあえる」
・「会議がつまらない」→「会議が楽しい」

しかし、効果の高い会議を行うためには、これまでと同じやり方をしていてはダメです。

そこで、無駄な会議ではなく意思決定が行われる会議に変える方法やコツを9つ紹介します。

コツ1|問題を本気で解決したい人がリーダーになる

組織の中には、自分で考えて進めることができる人と周囲のサポートが得意な人がいます。

これは非常に重要なことで、自分で考えて進めていける人、つまり問題を本気で解決したい人がリーダーに置く必要があります。

残念ながら、自分で考えて仕事を進めることができる人をリーダーに置かないとプロジェクトは上手く進みません。

例えば、「○○を好きになれ」といわれて好きになることはできません。逆に、自分で考えて仕事を進めることができる人は、自らの意思で考え、行動します。

このような人が重要な仕事を担ってもらうようにするのです。

会社で働いていると、全員に平等に仕事を割り振ろうとします。確かに全員に仕事を割り当てる必要はあります。ただ、重要な案件であれば、積極的に動ける意思のある人を選抜することが大切なのです。

そのため、手あげで募集することは効果的な策と言えます。

いずれにせよ、問題を本気で解決したい人がリーダーになる組織を作るのが重要です。

コツ2|会議のメンバーは選抜する

ビジョナリーカンパニー2で、こんな言葉があります。

偉大な企業への飛躍をもたらした経営者は、まずはじめにバスの目的地を決め、次に目的地までの旅をともにする人々をバスに乗せる方法をとった訳ではない。まずはじめに、適切な人をバスに乗せ、不適切な人をバスから降ろし、その後にどこに向かうべきかを決めている

このように「何をするか」より「誰といっしょにやるか」が重要です。

実際、誰とメンバーを組むかで、成果が大きく変わります。例えば、選定したい人でも、やりたい気持ちがない人は参加しないようにするのが大切です。

こちらにも相手にも選択権があることを伝えておくことをオススメします。

コツ3|会議は時間を投資する感覚(コスト意識)をもつ

ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンの言葉で以下の言葉あります。

人は多くの時間を無駄にしている。誰もが、時間など無限にあるかのように振る舞っているが、実際には時間こそ限りある資源であり、人はそれを上手に活用していない。

このように、働く上でもっとも大切なものは時間です。

なぜなら、働いた時間をお金につなげないと意味がないからです。

例えば、時給を考えることを推奨している書籍は増えています。これは自分の時間は貴重ですし、同じく周囲の方の時間も貴重だということです。

そのため、「自分と周囲の人の時間を会議に投資する価値があるか?」を押さえる必要があるのです。

コツ4|相談ではなく会議でないといけないと言い切れる

いざミーティングに参加すると、その議題が
・上司と話せば解決する
・考えが行き届いておらず、何が伝えたいのはよく分からない

このような相談レベルの内容では効果の高いミーティングにはなりません。

逆に議題を見て、「これは今すぐ会議をする必要がある」と思わせるようなものなら、ぜひやりましょう。

そのためには、例えば、売上が○○円で、解決策を講じないと△△円の損失が予測されており、□□が締め切り、ということを把握しておくことです。

ここまで提示することで、イヤでも会議を開くことを周囲から求められるようになります。

コツ5|会議の道具はそろえる

会議をスムーズにすすめたいときに、道具に不具合があると、道具が気になって時間を取られてがとまってしまいます。

例えば、「ホワイトボードがない」、「マーカーの乾いており字が見えない」というのは好ましい状況ではありません。

そのため、ミーティングの場は事前に準備しておきましょう。

事前にチェックしておくことは、この10つです

1.声が外にもれない部屋
2.部屋の空調
3.時計の時間
4.綺麗なホワイトボード
5.インクが出るマーカーインク(黒、赤、青)
6.ボードイレイサー(黒板消し)
7.ポストイット(大)
8.レーザーポインター
9.座り心地のよいイス
10.お菓子と飲み物

必要に応じて、席のレイアウトを変えるのもお勧めです。

コツ6|会議のルールを作る

会議では参加者の時間を投資しています。そのリターンを最大化するには、建設的な議論が必要です。

そのため、議論を妨げる行為は避ける必要があります。

たとえば、「だから○○でしょ。」と怒りを込めて、発言は何も生みません。

気持ちよくお互いが意見を言い合える環境やルールを設定しておきます。例えば、こんなルールを設けるといいでしょう。

・相手を傷つける発言をしない
・「こうすれば~できる」と発言する
・「できない」「わかりません」を言わない
・ケータイを切る
・資料には事前に目を通す
・「解決策→理由」の順で意見を言う
・一回の発言は30秒以内
・何の提案もないコメント、批判はしない
・やりたくないときは「やらない」といえる
・ふだん言ってはいけないアイデアや問題を言える

このルールを会議の冒頭でシェアするといいでしょう。

コツ7|ファシリテーターは適任を選ぶ

議論を前にすすめるためには、ファシリテーターの役割が必要になってきます。

ファシリテーター適任者は以下のスキルをそなえているとよいでしょう

・進行をすすめるテンポの良さ
・言うべきことを言える度胸
・議論を理解するクリティカルシンキング
・場の雰囲気を変えるジョーク

さらにファシリテーションのスキルを知りたい方は、こちらの記事も合わせてよんでみてください。

www.fastclassinfo.com

コツ8|安心・安全の場にする

ミーティングを円滑に進めるには、正直な意見を口にすることが重要です。

例えば、こんな場を作れるといい感じで、意見が出ます。

・無理に結論づけないこと
・新たな考えを探求すること
・対立を恐れないこと
・当たり前の意見をいうこと
・年長者でも自由に話せること

場合によっては、プライバシ―に関わる意見も出てくるかもしれません。

そんなとき安心・安全が守られていないと、怖くて発言ができなくなってしまいます。もちろん、誹謗中傷は話が違いますので、やってはいけません。

実際、私も会議を開催することがあります。とくに会議に最初や行き詰まったときは、安心・安全でいられるように、アイスブレイクをしたり冗談を言ったりして場を和ませることがあります。

コツ9|本気でそれをしたい人がやる

あなたを含めた参加者がやってみたいと思えるかどうかは成功を決める重要な要素です。

最終的な解決策が心からやりたいと思えるかどうかは自分も含め、参加者に聞いてみるといいでしょう。

なぜなら、会議で決まるのは、方向性とやり方だけだからです。実際は、その会議終了後に、あなたと参加者が行動をしていくことになります。誰かが代わりをやってくれるわけではないのです。

もし、無理に結論づけたり、やりたくないならやらないと感じていたりすると途中でプロジェクトは進まなくなります。

そのため、どうしてもやりたいと思えるかどうかはとても重要あのです。場合によっては、理由を付けて辞退することも策です。

まとめ|無駄な会議を効果の高い会議に変えるための9つのコツ

以下にまとめます。

まとめ

コツ1|問題を本気で解決したい人がリーダーになる
コツ2|会議のメンバーは選抜する
コツ3|会議は時間を投資する感覚(コスト意識)をもつ
コツ4|相談ではなく会議でないといけないと言い切れる
コツ5|会議の道具はそろえる
コツ6|会議のルールを作る
コツ7|ファシリテーターは適任を選ぶ
コツ8|安心・安全の場にする
コツ9|本気でそれをしたい人がやる

ピーター・ドラッガーは以下のことを述べています。

生産性の本質を測る真の基準は量ではなくて、質である。

ただ会議をこなせばいいわけではありません。上記のことを意識して、ぜひ短くても効果のある会議に変えていきましょう。

会議を効率するためには様々なテクニックがあります。この記事の中で紹介している以外のことを知りたいのであれば以下の本がお勧めです。

秘伝すごい会議

秘伝すごい会議

また、会議に限らず非効率なことはたくさんあります。事務や家事でもムダなことをしている人は多いです。

そのような状況を改善するには、正しいやり方を知ることが大切です。以下の記事では、会議だけでなく業務全般から家事まで効率化に関する書籍を紹介しています。

ぜひ合わせて読んでみてください。

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