本やウェブでマクロのプログラムを入手したけれど、「コードを理解できない…」、「エラーが出て使えない…」という経験をした人は少なくないでしょう。
実は、本やウェブのサンプルを使いこなせないのは、理由があります。この理由を把握しておかないと、ウェブのサンプルプログラムをいつまでたっても使いこなせるようにはなりません。
逆に言えば、この理由さえ把握して、正しく学習すれば、ウェブのサンプルプログラムを自由自在に使えるようになります。
この記事では、本やウェブのサンプルが使いこなせない理由と、その解決策について紹介します。
初心者がサンプルコードを使いこなせない2つの理由
本やウェブでサンプルを見つけて、自分のパソコンで試してみたけれど、エラーが出て使えない。自分の仕事用にアレンジしたいけれど、どこを修正すればいいのか分からない。
マクロ初心者ほど、こういったカベにあたってしまいます。しかし、これは仕方のないことです。その理由は、サンプルコードがマクロ中級者・上級者のためのものだからです。
中級者・上級者であれば、コードの意図や意味をサッと理解して、必要な部分だけを転用できます。
実際に私も、ウェブや本で紹介されているエクセルマクロのプログラムを見れば、だいたいのプログラムを作成することができます。
しかし、初心者はそうもいきません。多くの場合、コピペしてそのまま使おうとします。そして、エラーが出るともう手も足も出ません。
なぜ、中級者・上級者がプログラムを上手に利用できる一方で、初心者は上手に使いこなせないのでしょうか。そこには2つの理由があります。その理由について以下で説明します。
理由1|プログラムのどこが間違っているかわからない
エクセルVBAのプログラムは、さまざまなサイトや本で紹介されています。しかし、ウェブや本のプログラム情報が間違っている場合は少なくありません。
実際に、ウェブサイトのプログラムをコピペして使ってみると、エラーが出てしまったり、思うような結果が得られなかったりします。
この理由は、プログラムに誤記が含まれていたり、参照設定が必要なのに説明されていなかったりするからです。
もちろん、プログラム作成側が誤記のまま紹介していることは問題です。
ただ、作成側も人間ですから、プログラムに誤記があることを責めることはできません。実際に私も注意してプログラムを作成しているつもりですが、間違いがあるかもしれません。
さて、このようにプログラムが動かないとわかったとき、マクロ初心者の多くは「このプログラムは使えない」と諦めてしまいます。
しかし、中級者・上級者は違います。エラーを修正したり、他のプログラムを利用したりして、動くように直すことができます。
こういったことができるのは、中級者・上級者がプログラムをどこが間違っていて、どう修正すればいいかを理解しているからです。
残念ながら、マクロ初心者は、プログラムを読んだり書いたりすることに慣れていません。そのため、1箇所でも誤記があると、つまづいてしまうのです。
理由2|仕事をすべてマクロで自動化しようとしている
マクロ初心者にありがちなこととして、仕事のすべてをマクロで自動化しようとします。もちろん、仕事をすべて自動化しようとする心意気は大切です。そういった向上心が勉強の原動力になるからです。
しかし、仕事のすべてをマクロで自動化しようとすることにはデメリットがあります。それは、自分の思い描いているサンプルコードを探そうとすることです。
残念ながら、自分の仕事にすぐにそのまま活用できるサンプルコードはありません。たとえば、売上管理といったどこの会社にもある仕事でさえ、やり方は会社によって異なります。
そのため、売上管理のマクロのサンプルコードがウェブ上にあったとしても、自分が求めているプログラムと完全に合致する可能性はほとんどありません。
こういった現実にも関わらず、初心者は、自分の仕事に合うようなサンプルコードを見つけようとウェブや本を探し回ります。しかし、完璧を目指しても、上記の理由から、求めるプログラムは見つかることはありません。
一方で、中級者・上級者は完全なプログラムを求めていません。なぜなら、サンプルコードをそのまま使おうと考えていないからです。
むしろ、自分が作りたいプログラムが先にあって、それに必要なプログラムを探します。
たとえば、中級者・上級者はウェブで見つけた2つのプログラムを利用して、自分の求めるプログラムを作ります。これは、自分が作りたいプログラムを明確に理解しているからです。
それ以外にも、中級者・上級者はすべてをマクロで自動化する必要はないと考えています。たとえば、自分の仕事を100としたとき、80を自動化できれば十分に効率化できる場合があります。
こういった場合、100のプログラムを作成する必要はありません。80のプログラムを探せばいいので、ウェブや本でプログラムを探すときのハードルが下がります。
このように、中級者・上級者は必要な部分を見抜く技術や捨てる技術が高いのです。
しかし、初心者は、必要な部分を見抜く技術や捨てる技術や不足しています。このような理由で、ウェブや本で紹介されているサンプルプログラムを上手に使いこなすことができないのです。
初心者が本やウェブのサンプルを使いこなすためにやるべきこと
先述のとおり、初心者は必要な部分を見抜く技術や捨てる技術や不足しています。その原因は、知識が乏しいからです。
したがって、マクロ初心者が本やウェブのサンプルを使いこなせるようになるには、知識を増やすことです。
では、どうすれば知識を増やせるか? というと、マクロを手書きで書けるようになるように練習することです。
なぜなら、手書きできるようになれば、マクロが読んだり書けたりするようになるからです。
たとえば、高校や大学の入試問題を解くためには、問題を読んでコピペしているだけではゼッタイに解けるようにはなりません。問題を解けるようになるには、何度も自分の手を動かして解いてみることが一番の練習法です。
そして、つまずきながらでも、チャレンジしているうちに、だんだん問題が解けるようになっていきます。
マクロも同じです。実際に、マクロが出来るようになった人のほとんどは、手書き練習をした時期があります。私も10ヵ月くらいはトレーニングしました。その詳細は、こちらの記事で紹介しています。
私は、10ヶ月かかってしまいましたが、正しく学べば10ヵ月もかかりません。学習法さえ間違えければ、数か月でウェブのサンプルが読めるようになります。
とはいっても多くの人は、「マクロを手書きするなんて自分には…」といってチャレンジすることさえしません。しかし、マクロを使ってアナログな仕事を効率化できるようになるには、手書き練習を必須です。
結局のところ、マクロの自動記録やウェブ情報のコピペでは、知識が増えません。知識が乏しいままでは、ウェブや本に転がっているプログラムを理解できません。
結局、理解できないため、サンプルコードのなかで必要な部分を見抜いたり、要らない部分を捨てたりできないのです。
この悪循環にハマる理由は、手書き練習をしないからです。逆をいえば、手書き練習をすれば、マクロの知識がどんどん増えます。そうすれば、ウェブでも本でもスラスラとプログラムが理解できるようになります。
手書き練習をする前に基本を学ぶ
マクロは正しく学べば、そこまで難しくありません。とはいえ、「いきなり手書きで編集するといわれても何から始めればいいの?」と思われるかもしれません。
手書きでの練習は必須ですが、まずはマクロの基本を学ぶことから始めることをオススメします。なぜなら、基本が分かっていないと、めちゃくちゃな手書き練習になってしまうからです。
たとえば、英語でも文法や単語を学んでから、英語のライティングを学びます。マクロも同じで、プログラムの基本となる単語の意味や、文法を学ぶことが第一歩です。
しかし、初心者に合わせて正しい順序で教えてくれる教材はあまりありません。こちらの記事で紹介していますが、プログラムの基本を学ぶ教材選びについては、選ぶべき基準があります。
詳しい選び方は、上記の記事で説明していますが、本やウェブサイトはあまりいい教材とはいえません。なぜなら本やウェブの画像では、どうしても分かりづらいからです。
できれば、動画でエクセルの動きや操作方法から学ぶことが大切です。画像では動きが分からないため、挫折の原因になってしまいます。
もし、基本を習得したいなら、こちらの無料動画がオススメです。マクロの使い方から自分で編集するためのコツを紹介しています。無料ですし、今スグ動画で勉強を始めることができます。ぜひ参考にしてみてください。
手書きで書けるようになると、ウェブのサンプルだけでプログラムを作ることができるようになります。ぜひ、手書き練習をして、エラーに悩まされずにプログラムを作れるようになってください。
「マクロの力を実感したい」と感じているなら、こちらの記事がオススメです。マクロが入ったエクセルファイルをダウンロードできるようにしています。もし詳細が知りたいなら、以下の記事で紹介していますので、合わせて読んでみてください。
サンプル1|月末処理の自動処理する
サンプル2|エクセルで在庫管理するマクロ
サンプル3|outlookのメールを自動送信する
サンプル4|outlookの受信メールをエクセルに一覧にして、添付ファイルも保管する
サンプル5|エクセルマクロVBAで大量データを比較・照合してマッチングする方法
サンプル6|ヤフオクの情報を自動取得して、エクセルに出力する
サンプル7|エクセルの情報をワードに差し込み、印刷まで行う
ぜひご活用ください。