エクセルマクロVBAを使って自動で表を作成する方法を紹介します。
以下のようにエクセル上に何も記載がない状態があります。
マクロを実行して、以下のように1行目にヘッダーを入れ、A列の値が20になるまでセルA~セルEに罫線を引いていきます。
この記事では、上記のように表を自動作成するマクロについて紹介します。
表を自動作成するマクロ
この記事で紹介するマクロについて動画で解説しています。
エクセルマクロVBAで表を自動作成する方法|罫線表示とヘッダー色変更
なお、動画内では
With Range("A" & i & ":F" & i) .Borders(xlEdgeLeft).LineStyle = xlContinuous .Borders(xlEdgeTop).LineStyle = xlContinuous .Borders(xlEdgeBottom).LineStyle = xlContinuous .Borders(xlEdgeRight).LineStyle = xlContinuous .Borders(xlInsideVertical).LineStyle = xlContinuous .Borders(xlInsideHorizontal).LineStyle = xlContinuous End With
で説明していますが、8行も書かなくても以下の1行で処理可能です。
Range("A" & i & ":F" & i).Borders.LineStyle = xlContinuous
無駄に長いプログラムを書く必要はないので、1行で書いた方がシンプルです。
以下では動画内で紹介しているマクロのプログラムについて説明します。ただ上記で示した通り、8行ではなく1行でシンプルにしたものを紹介します。
表自動作成マクロのVBAプログラム
このマクロの概要は以下です。
ステップ2|ヘッダーの項目を入れ込む
ステップ3|ヘッダーの罫線と背景色の塗りつぶし
ステップ4|表の行数を設定
ステップ5|for next構文で繰り返し
ステップ6|A列「No」に数値を入れる
ステップ7|A列~F列まで罫線を引く
ステップ8|for next構文の区切り
マクロのプログラムは以下です。
Option Explicit 'おまじない 'ステップ1|変数などの定義 Sub make_table1() Dim i As Long, cmax As Long, no As Long 'ステップ2|ヘッダーの項目を入れ込む Range("A1").Value = "No" Range("B1").Value = "A" Range("C1").Value = "B" Range("D1").Value = "C" Range("E1").Value = "D" Range("F1").Value = "E" 'ステップ3|ヘッダーの罫線と背景色の塗りつぶし With Range("A1:F1") .Borders.LineStyle = xlContinuous .Interior.ColorIndex = 20 End With 'ステップ4|表の行数を設定 cmax = 21 'ステップ5|for next構文で繰り返し For i = 2 To cmax 'ステップ6|A列「No」に数値を入れる Range("A" & i).Value = i - 1 'ステップ7|A列~F列まで罫線を引く Range("A" & i & ":F" & i).Borders.LineStyle = xlContinuous 'ステップ8|for next構文の区切り Next End Sub
以下でプログラムの解説をしていきます。
ステップ1|変数などの定義
Sub make_table1() Dim i As Long, cmax As Long, no As Long
1行目|プロシージャ名を make_table1にする
2行目|iをLong型(整数)、cmaxをLong型(整数)として定義
ステップ2|ヘッダーの項目を入れ込む
Range("A1").Value = "No" Range("B1").Value = "A" Range("C1").Value = "B" Range("D1").Value = "C" Range("E1").Value = "D" Range("F1").Value = "E"
1行目|セルA1の値を No にする
2行目|セルB1の値を A にする
3行目|セルC1の値を B にする
4行目|セルD1の値を C にする
5行目|セルE1の値を D にする
6行目|セルF1の値を E にする
ステップ3|ヘッダーの罫線と背景色の塗りつぶし
With Range("A1:F1") .Borders.LineStyle = xlContinuous .Interior.ColorIndex = 20 End With
1行目|セルA1からセルF1までの範囲をWithでくくりだす。
With Range("A1:F1")を使うことで、WithからEnd Withで挟まれた行の先頭にRange("A1:F1")を記載しなくてよくなる。
Withは数学の共通項を前に出すのと似ている。
例えば、数学では (ab + ac) = a(b +c) とできます。これはaが共通項だからです。
このプログラムでは、Range("A1:F1")が2行目~7行目において共通項になっているので、Withでくくりだしています。
そうすることで、Range("A1:F1")を書く手間が省けます。また、可読性(プログラムの読みやすさ)が上がります。
2行目|(セルA1からセルF1) の端に罫線(実践)を引く
=xlContinuous|実線
=xlDash|破線
=xlDashDot|一点鎖線
=xlDashDotDot|二点鎖線
=xlDot|点線
=xlDouble|二重線
xlSlantDashDot|斜め斜線
3行目|(セルA1からセルF1) の背景色を20にする(20は水色です)
4行目|End Withで1行目のWith構文の区切りをつける
ステップ4|表の行数を設定
cmax = 21
1行目|(Long型の変数である) cmaxを21にする
ステップ5|for next構文で繰り返し
For i = 2 To cmax
1行目|for next構文で、変数 i に2からcmaxまでの数値を代入する
ステップ4でcmax=21としているため、 i = 2, 3, 4, ・・・, 20, 21として処理を進める
ステップ6|A列「No」に数値を入れる
Range("A" & i).Value = i - 1
1行目|セルAi を i-1 とする。i=2 であれば、セルA2を1とする。i=21であれば、セルA21を20とする。
ステップ7|A列~F列まで罫線を引く
Range("A" & i & ":F" & i).Borders.LineStyle = xlContinuous
1行目|セルAiからセルFiの複数セルの端に罫線(実践)を引く
i=2であれば、セルA2からセルF2 の端に罫線(実践)を引く
ステップ8|for next構文の区切り
Next End Sub
1行目|for Next構文の区切り
2行目|プロシージャ make_table1 を終了する
このプログラムは実用的ではない
ここまで自動で表を作成するマクロについてプログラムの解説を入れて説明してきました。
しかし、ここで紹介しているプログラムは実用的ではありません。
その理由は2つあります。
理由2|行数を固定するマクロはメンテナンス性に欠ける
一つずつ説明します。
理由1|表の枠を作るような作業だけではマクロの効果は得られない
この記事では、表の枠を自動作成するマクロを紹介しました。
しかし、表の枠を作るだけなら1分もあればマウスを使って作成可能です。
そのため、このマクロでは数十分~数時間の業務効率化をもたらすことはできません。
残念ですが、表の枠をつくるだけではマクロの本当の効果は得られないのです。
もし、本当に仕事を効率化するマクロを作りたいなら、表の中身の計算まで処理するプログラムを書く必要があります。
以下では、表の中身まで自動でデータ計算するマクロを紹介しています。
興味があれば、ぜひ読んでみてください。
理由2|行数を固定するマクロはメンテナンス性に欠ける
ここで紹介したマクロは行数を21で固定しました。
しかし、このように行数を固定してしまうとメンテナンス性に欠けます。
なぜなら、作成したい表に応じて、毎回行数は増減するからです。
したがって21に固定してしまうと、マクロを使うたびに21を他の数値に変えなくてはなりません。
毎回マクロを修正していたのでは、全く実用的ではありません。
また、行数だけでなく列の数も増減する場合もあるはずです。
そのため、より効果の出るマクロを作れるようになるために機能を付与する必要があります。
エクセルを自分用に編集アレンジして使いたいなら、エクセルマクロの無料動画で学ぼう
ここまでエクセルマクロのプログラムについて紹介してきました。
しかし、この記事を見たとき、「もっと○○ができるのでは?」や「ここはなんとかならないのか」と感じる人は少なくないはずです。
例えば、「他の条件を付け加えたい」や「さらに機能を増やしたい」といった要望が出るかもしれません。
このような要望を満たすには、マクロを勉強して自力でマクロを編集できるようになる必要があります。
もし、自力でマクロを編集できるようになれば、今より仕事の効率はグッと上がります。
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