お金を支払ってプログラミングの教材を購入したり、スクールに通ったりするのを考えている人がいます。
このような人たちが考えていることは以下です。
●プログラミング初心者で学習教材にお金を使おうとする人の考え
・プログラミング教材は、お金をかけたほうが効率的なはず
・お金を払ったほうが、よりサポートをもらって勉強できる
・金額が高い商品ほど、自分を勉強するほうへ追い込める
しかし、教材やスクールで勉強をしても、プログラミングスキルを習得できる人とそうではない人に分かれてしまうのが現実です。
なぜなら、お金を払えばうまくいくわけではないからです。実は、教材やスクールに通う以前にもっと大切なことがあるのです。
それは、プログラミングを学ぶ目的や目標です。
プログラミングを学ぶ目的が本心であるほど、習得できる可能性は高まるのです。
この記事の内容をお伝えすると、以下のことです。
●プログラミング初心者に必要なこと
→明確な目的・強い欲求(人に褒められたい、人を認めさせたい)
●プログラミングが楽しくなるのは先のこと
→自分でツールを作れるようになるまでは、楽しくない
●スクールや本を選ぶ前に、自分の本心に気づくこと
→自分の気持ちに正直にならないと挫折する
それでは、プログラミング学習における目的や目標の重要性についてお伝えしていきます。
- なぜプログラミングスキルを習得したいのか?
- プログラミング学習前に現実を知っておくべき
- 目的に正直なほどプログラミング学習は成功しやすい
- 目的や目標こそプログラミングを学ぶ前に確認すべき理由
- 成果が出てくると達成感と充実感で勉強が進むようになってくる
- 強い目的や欲求があるかどうかはODSCを使って確かめる
- 初心者のプログラミング学習に強い目的や欲求は必須
なぜプログラミングスキルを習得したいのか?
「プログラミングを学ぶ目的は何ですか?」と聞かれたとき、「将来役立つスキルだから」や「収入アップが期待できそうだから」と答える人は少なくありません。
このような「将来役立つ」や「収入を増やす」というイメージでプログラミング学習を始める人は挫折する可能性が高いです。
なぜならこれらは憧れであり、本心ではないからです。
本心ではない理由でプログラミング学習を始めても、自分の心にウソをついているため長続きしません。
ここでは長続きしない理由について、以下の2つについて考えてみます。
●プログラミング学習が長続きしない人の考え
・プログラミングは将来役立つ
・プログラミングができれば収入アップが期待できそう
勉強が長続きしない人1|プログラミングは将来役立つ
プログラミングは将来役立つスキルと考えている人は多いです。
しかし、「本当に将来役立つスキルか?」と聞かれると疑問があります。
例えば、英語、ファイナンス、コミュニケーションのようなスキルはあらゆる仕事で役立ちます。
特に英語は、将来どころか今すぐ役立つ場合も少なくありません。
実際、私は英語ができたおかげで、入社2年目で海外担当に抜擢され上司の上司と一緒に仕事をする機会を得ることができました。
それこそ英語というスキルは、プレゼンやメールを通じて日常的に使用するため、今すぐ仕事で役立つこともあります。
しかし、プログラミングはそうもいきません。
なぜなら、プログラミング作業は外注することが多いからです。たとえば、私は大手企業に勤務していましたが、システム構築の仕事は外注ばかりでした。
そのため、企業勤務している人がプログラミングスキルを磨いても、外注するため能力を発揮する場面がないのです。
このように、プログラミングより将来役立つスキルはたくさんあります。
勉強が長続きしない人2|収入アップが期待できそう
プログラミングができれば、収入アップが期待できそうと考える人も多いです。
たしかにプログラミングで稼いでいる人はいます。
しかしプログラミングで稼いでいる人は、プログラミング技術だけで稼いでいるわけではありません。
マーケティングやセールスを学び、プログラミング技術をお金に変える方法を考えているのです。
例えば、私の先輩はウェブ制作会社を経営している人がいます。
その人は会社員時代に独学でプログラミングを学び、会社業務を効率化した実績をもって独立したのです。
しかし、独立1年目の月収は15万が最大でした。悪いときは、月の収入が数万。
特に独立1年目は実績が少ないため、受注できる仕事が少なく1案件あたりの報酬は数万で請けざるを得なかったのです。
その上、受注先から追加のプログラミング依頼が何度もきたせいで、貧乏暇なし状態に陥っていきました。
しかしその後、その先輩はセールスやマーケティングを一から勉強しました。
その結果、1案件を50万~100万で受注できるようになっていきました。
このようにプログラミング技術で稼いでいる人は、セールスやマーケティングのスキルも習得していることが多いです。
そのため「プログラミングができれば、収入アップが期待できる」というのは表面的な部分しか見ていないと言わざるを得ません。
プログラミング学習前に現実を知っておくべき
ここまでプログラミング初心者にありがちな憧れと現実についてお伝えしてきました。
上記の通り「将来役立つスキルだから」や「収入アップが期待できそうだから」という軽い気持ちで勉強を始めると厳しい現実に直面するのは間違いないです。
しかし、私はプログラミング学習をやめたほうがいいとは言いたいのではありません。
私が伝えたいのは、現実を見た上で勉強を始めてほしいのです。
なぜなら、私や私の後輩がプログラミング学習を通じて勉強の大変さを感じてきたからです。
特に私の後輩はプログラミングスクールに60万払って通学したにも関わらず、今はプログラミングから遠ざかっています。
そのためプログラミング学習の現実を知った上で勉強に取り組んでほしいのです。
それでは、これからプログラミング学習をする人に向けて、絶対に知っておいてほしいことについて以下でお伝えしていきます。
目的に正直なほどプログラミング学習は成功しやすい
それではプログラミング学習を成功させるには何をすればいいのでしょうか。
それは、本当の目的を認識することです。本当の目的とは強い欲求や怒りのことです。
例えば以下のようなことが考えられます。
●プログラミングを勉強していたときの欲求(私の場合)
・プログラミングの仕事を依頼した先輩にサプライズを与えたい
(プログラミングで先輩の仕事をゼロにしたかった)
・仕事をしなくてよくなるような仕組みを作りたい
・プログラミングをやっている友人には負けたくない
・プログラミング学習成果を友人に自慢したい
・実績を積んで自分の職歴や経歴に箔をつけたい
・転職し年収を上げて異性にもてたい
上記は、私がプログラミング学習を始めたときの欲求です。
この内容を見れば、私が「人に自慢したい」や「人を認めさせたい」と思っていたのかよくわかるはずです。
卑しいやつと思うかもしれません。しかし、これこそ本当の目的(欲求)なのです。
また、1つではなく複数の欲求があるのがわかるはずです。
当然ですが、プログラミング習得の目的は1つである必要はありません。
むしろ複数の目的や目標がある方が自然です。
このように強烈な欲求や怒りであるほど、プログラミング学習の原動力になります。
上記の内容は私の場合であり、これらと同じである必要はありません。
重要なのは、自分の欲求に正直になることです。
目的や目標こそプログラミングを学ぶ前に確認すべき理由
なぜ上記のような目的や欲求が必要なのかというと、プログラミング習得には長い時間がかかるからです。
例えばプログラミング習得のためにはコードを勉強したり、学習をしたりする必要があります。
そして、その学習が成果につながるまでに数ヶ月から1年はかかります。
実際私の先輩はプログラミングを勉強し始めてから、会社のシステム構築を完成させるまでに1年弱かかりました。
私の場合もプログラミングを触り始めてから、求めていたツールを完成させるまでには半年かかりました。
このように、プログラミング習得には長い時間がかかるのです。
プログラミング学習を始めてすぐに挫折する人もいる
私の場合は、運よく成果が出るまで勉強を続けることができました。
しかし、成果につながる前に挫折してしまう人は多いです。
なぜなら、日を追うごとに勉強のモチベーションは低下し、毎日の学習が苦痛に変わってくるからです。
そして、やる気を上げるために、他の勉強法を探したり、別の教材を試したりするのです。
このサイクルを経たのち、最終的には挫折をしてしまいます。
たとえば高いお金を投資して、プログラミングスクールに通った場合でもモチベーションは低下していきます。
実際、私の後輩は60万かけてプログラミングスクールに通いましたが、今ではプログラミングをほとんど触っていません。
このような結果になってしまう原因は簡単です。
プログラミング学習が自分自身の目的や欲求と食い違っているからです。
本当に習得したいと思っていないのであれば、途中で辛くなったときに挫折してしまうのは当然のことです。
成果が出てくると達成感と充実感で勉強が進むようになってくる
ここまで欲求や目的が重要とお伝えしました。ただここで注意したいことがあります。
それは欲求や怒りは長く続かないことです。
なぜならプログラミングを学んでも、すぐに「人に自慢できる」や「人から認められる」ことにならないからです。
そのため欲求や怒りを活用して勉強をするのは、時間的に限界があります。体感的には3ヶ月勉強できれば、上出来です。
そこで大切なのは、達成感と充実感です。
たとえば、私は「人に自慢できる」や「人から認められる」という欲求で勉強を始めました。
しかし、プログラミングでツールを作成していく中で、ツールを作ることそのものが楽しくなっていったのです。
これは大気圏を脱出するロケットを考えると分かりやすいです。
●大気圏を抜けるまでは推進剤を使う
→重力に引っ張られて地上へ戻されるのを防ぐ
●プログラミング学習の初期では欲求を使う
→やる気がなくなって挫折するのを防ぐ
●大気圏を抜けたら推進剤は要らない
→重力がないので思う方向へ進める
●プログラミング学習が進んできたら達成感と充実感で勉強する
→勉強そのものがやる気につながる
上記のように私は学習が進むにつれて、欲求から達成感・充実感へシフトしいきました。
ただプログラミング学習の初動は「人に認められたい」や「認めさせてやる」という欲求や怒りが始まりでした。
それが私がプログラミングを勉強できた理由であり、欲求や怒りがあってよかったと思っています。
達成感と充実感については以下の記事で解説しています。
強い目的や欲求があるかどうかはODSCを使って確かめる
ここまで、強い目的や欲求の重要性を述べてきました。
しかし、どうすればプログラミング学習の目的や欲求を見つけることができるのでしょうか。
それは、ODSCのフレームワークを使ってみることです。
ODSCとは以下の表のとおり、「Objective」「Deliverables」「Success Criteria」の頭文字をとったフレームワークで、目的や欲求を見える化・言語化するときに使われます。
ODSC | 意味 | 事例(私の場合) |
---|---|---|
Objective | 目的:どうなりたいか? | ・人に自慢したい |
・自分の収入を上げたい | ||
Deliverables | 成果物:何を作るか? | ・プログラミングで仕事自動化ツールを作る |
・プログラミングができるようになった自分 | ||
Success Criteria | 成功基準:数値目標や達成目標は何か? | ・先輩や友人から「あいつはすごい」と言われる |
・当時やっていた仕事をボタン一つで出来るようにする | ||
・実績を積んで転職する | ||
・人からもっとプログラミングで効率化してほしいとお願いされる | ||
・転職する |
上記の表の一番右側には私の事例を記載しました。
ODSCを使うことで、自分が本当に達成したいことかどうかを見極めることが可能です。
このとき、見極めにコツがあります。
それはODSCを読み返したとき、プログラミング学習のやる気が出てくるかどうかを確かめることです。
もし、やる気が出ないのであればODSCを見直す方がいいでしょう。
やる気にならない場合は、プログラミング学習を今はやらなくていいという結論になるかもしれません。
一度作成したODSCは机などの目に見える部分に貼っておくと、やる気を補充できます。
初心者のプログラミング学習に強い目的や欲求は必須
この記事の内容をまとめると以下です。
●プログラミング初心者に必要なこと
→明確な目的・強い欲求(人に褒められたい、人を認めさせたい)
●プログラミングが楽しくなるのは先のこと
→自分でツールを作れるようになるまでは、楽しくない
●スクールや本を選ぶ前に、自分の本心に気づくこと
→自分の気持ちに正直にならないと挫折する
仕事で使えるレベルのプログラミング技術を身につけようと思ったら、2,3ヶ月で達成するのは厳しいのが現実です。
とくにプログラミング言語がまったくの初心者であれば、年単位の努力が必要です。
このとき、プログラミング言語を習得できるかを決めるのは強い目的や欲求です。
自分自身の本心に従った「~したい、~になりたい」という願望なのです。
逆に、この気持ちが足りないと挫折は目に見えています。
当時の私は、「周囲からの評価されたい」と強く願い、それを実現したくて仕方ありませんでした。
その欲求が正しかったかどうかは別ですが、プログラミング学習を数年以上の続けることができたのは紛れもない事実です。
その結果プログラミングを仕事で使えるレベルになり、月20万以上の収入をプログラミングで得ることができるようになりました。
自分の目的や欲求に正直になること。これがプログラミング初心者には必須です。
書籍やスクール選びより自分の目的や欲求の洗い出しをするほうが、お金や時間を節約できます。
ぜひODSCを使って自分の目的や欲求の洗い出しをやってみてほしいと思います。