パソコンスキルの教科書

パソコンスキルの教科書

東京大学大学院卒。博士課程に進学を志すも、担当教授と折が合わず、無職になる。医者を目指すも結局断念。田舎で派遣社員として働く。「スキルがなければ、仕事ももらえない」と悟り、ビジネススキルを学ぶ。プログラミング、英語を学び、一部上場企業へ転職。年間100時間以上の業務効率化を行い、社内講師に抜擢。海外の案件を担当し、数億円のプロジェクトに携わる。個人の事業でも、月売上100万を達成。現在は、自分の価値を高めるためのスキル向上支援を行う

ExcelマクロVBAでIF関数を作成(条件付き書式のように文字列を赤くする)

f:id:gene320:20210308195137p:plain

上記の画像のようなことをしたいとき、Excel関数で「=IF(B2="愛知販売","該当","非該当")」と入力します。

また文字を赤くするには、条件付き書式を活用します。

このように、Excel関数や条件付き書式を使えば、上記の画像でやりことは達成できます。

しかしVBAを使う場合、どのようにプログラムを作ればいいのでしょうか。

本記事では、そのプログラム作成について詳しく紹介していきます。

・Excelのif関数や条件付き書式をVBAプログラムで作成

それでは以下で詳しく紹介していきます。

VBA作成前の準備

ExcelでVBAを使うためにはいくつかの準備が必要です。

具体的には以下です。

1. Excelファイルを「.xlsm」として保存

2. 開発タブを追加

上記に関しては、以下の記事で解説をしています。

www.fastclassinfo.com

もしVBAを使うための準備段階に不安がある人は上記をご覧ください。

なお、以下の動画でも紹介しています。


入門エクセルマクロの使い方|マクロ作成から実行までを徹底解説

詳細を知りたい人は動画をご覧ください。

Excel VBAでIF関数を作ってみる

今回は以下の作業をVBAで行います。

セルB2~B21の値に応じて、セルC2~セルC21に「該当」、「非該当」を入力

「該当」ならば、赤く太字にする

以下でプログラムソースを紹介します。

VBAのプログラムソース解説

今回紹介するプログラムの概要は以下です。

'プログラム0|変数宣言の指定
Option Explicit

'プログラム1|プログラム開始
Sub Excel_If()

    'プログラム2|対象シートを設定
    Dim Ws As Worksheet
    Set Ws = Worksheets("Sheet2")
    
    'プログラム3|最終行の取得
    Dim Cmax As Long
    Cmax = Ws.Range("A65536").End(xlUp).Row
    
    'プログラム4|検索ワードの設定
    Dim Keyword As String
    Keyword = "愛知販売"

    'プログラム5|変数定義
    Dim i As Long
    
    'プログラム6|B列の値を確認
    For i = 2 To Cmax
        
        If Keyword = Ws.Range("B" & i).Value Then
            
            'プログラム7|C列に入力(プログラム6がTrueの場合)
            Ws.Range("C" & i).Value = "該当"
            
            'プログラム8|C列のフォント変更(プログラム6がTrueの場合)
            With Ws.Range("C" & i).Font
                .Size = 11
                .Bold = True
                .Color = vbRed
            End With
        
        'プログラム9|C列に入力(プログラム6がFalseの場合)
        Else
            Ws.Range("C" & i).Value = "非該当"
        End If
    
    Next

'プログラム10|プログラムの終了
End Sub

以下で詳しく説明しています。

プログラム0|変数宣言の指定

Option Explicit

「Option Explicit」とは、変数宣言を強制するためのものです。

これを入れておくと、変数を定義していない場合、エラーが出ます。

変数宣言とは、「Dim XXX」のように変数を定義すること

「Option Explicit」を入力しておくことで、たとえば「Dim Kingaku」をあらかじめ入力しないと、「Kingaku」という変数を使えません。

もし「Option Explicit」を入力しているのに、「Dim Kingaku」を書かずに「Kingaku = Range("C2").Value」と書くと、エラーメッセージが表示されます。

「Option Explicit」を入れる理由

実は、この機能はあくまでオプションです。「Option Explicit」を入力しなくても、プログラムは動きます。

しかし、これを入れておくことで、変数の誤記によるエラーを防止することができます。

結果的に、プログラム作成速度が上がるので、「Option Explicit」を入力することを習慣化することをオススメします。

プログラム1|プログラム開始

Sub Excel_If()

「Sub Excel_If()」のプログラムを開始することを意味します。

VBAではプロシージャという単位でプログラムを呼び出します。

プロシージャの構文は下記となっています。

Sub プロシージャ名()

End Sub

「Sub」で始まり「End Sub」で終わります。

「Sub XXXX」の「XXXX」の部分がプロシージャ名です。

今回は「Excel_If」というプロシージャ名にしています。

このプロシージャ名はあらゆる文字(アルファベット、ひらがな、漢字、数字など)が使用可能です。

ただし、プロシージャ名の先頭は数字を入れるとエラーとなります。

あとで見たときに、「何のプログラムだったのか?」とならないようにするためです。

なお、「()」の中には何も記入されていません。これは引数なしという意味です。

初心者の内は、引数ということが分からなくてもVBAプログラムを書くことは可能です。

興味があれば、「VBA 引数」で検索して調べてみてください。

プログラム2|対象シートを設定

    Dim Ws As Worksheet
    Set Ws = Worksheets("Sheet2")

以下で詳しく紹介します。

Dim Ws As Worksheet

f:id:gene320:20210308200218p:plain

「Ws」をWorksheet(ワークシート)型で定義します。

ワークシートとは、Excelの各シートを意味します。

Set Ws = Worksheets("Sheet2")

f:id:gene320:20210308200441p:plain

「Set Ws = Worksheets("Sheet2")」とすることで、「Sheet2」をWsとして扱うことができます。

要は、Sheet2を指定して処理を実行できます。

なおシートを指定しないと、今開いているExcelのシートに処理が実行されます。

プログラム3|最終行の取得

    Dim Cmax As Long
    Cmax = Ws.Range("A65536").End(xlUp).Row

f:id:gene320:20210308200735p:plain

以下で詳細を説明します。

Dim Cmax As Long

「Cmax」をLong(整数)型で定義します。

Cmax = Ws.Range("A65536").End(xlUp).Row

「Cmax = Range("A65536").End(xlUp).Row」とすることで、Excelの最終行を取得することができます。

ここでは21行目が最終行なので、「Cmax=21」となります。

「Debug.Print(Cmax)」で検証できます。(以下のとおり)

    Dim Cmax As Long
    Cmax = Ws.Range("A65536").End(xlUp).Row
    Debug.Print(Cmax)

実行結果

    >>>21

このCmaxの値は以降のプログラムで使用します。

プログラム4|検索ワードの設定

    Dim Keyword As String
    Keyword = "愛知販売"

以下で詳細を解説します。

Dim Keyword As String

「Keyword」をString(文字列)型で定義します。

Keyword = "愛知販売"

「Keyword = "愛知販売」とすることで、Keywordを「愛知販売」として扱います。

プログラム5|変数定義

    Dim i As Long

プログラム4以降で使用する変数「i」を宣言します。

Long(整数)型で宣言します。

プログラム6|B列の値を確認

    For i = 2 To Cmax
        If Keyword = Ws.Range("B" & i).Value Then

以下で詳しく解説します。

For i = 2 To Cmax

f:id:gene320:20210308201030p:plain

「For i = 2 to Cmax」で「i =2,3,4,・・・, Cmax」のようにiに1ずつ加算しながら、ForとNextの間の処理を繰り返し実行させることができます。

まずはi=2で、Next(プログラム9)まで処理を行います。

プログラム6に戻って、i=3でNext(プログラム9)まで処理を行います。

そしてプログラム6に戻って、i=4でNext(プログラム9)まで処理を行い、i=Cmax(ここでは21)となるまで繰り返し処理を実行します。

If Keyword = Ws.Range("B" & i).Value Then

f:id:gene320:20210308203441p:plain

「If Keyword = Range("B" & i).Value Then」で、「もし、Keyword(愛知販売)とセルBiの値が一致すれば」となります。

要は、セルBi(B2, B3, ・・・B21)の値が「愛知販売」であれば、プログラム7、8を実行します。

また、セルBi(B2, B3, ・・・B21)の値が「愛知販売」でないならば、プログラム9を実行します。

ちなみに、Debug.Printを使って値を出力すると、以下のようになります。

For Next構文について

For Next構文は下記となっています。

For 変数 = 開始 to 終了
    XXXX
Next

For Next構文の説明は以下のとおりです。

1. 「For」で始まり「Next」で終わる
2. 「変数」は「For」から「Next」までの処理を終えたら、値が1加算される
3. 「変数」は「開始」の値で始まり、「終了」の値での処理が終わったら、完了

For Next構文は使用頻度が高いので、使えるようになると威力を発揮します。

For Next文はこちらで事例を交えながら解説しています。

さらに詳しく知りたい方は上記のリンクをご覧ください。

IF文について

IF文は下記となっています。

If A = B then
    XXXX
End If

If文の説明は以下のとおりです。

1. 「If A = B then」で始まり「End If」で終わる
2. 複数条件の場合は、AndやOrを使う
3. 「ElseIf A = B Then」や「Else」と条件分岐を増やすことができる

If文は使用頻度が高いので、使えるようになると威力を発揮します。

If文はこちらで事例を交えながら解説しています。

さらに詳しく知りたい方は上記のリンクをご覧ください。

プログラム7|C列に入力(プログラム6がTrueの場合)

            Ws.Range("C" & i).Value = "該当"

f:id:gene320:20210308202425p:plain

もし、プログラム6がTrue(シート2のセルBiが愛知販売)ならば、シート2のセルCiに「該当」を出力します。

プログラム8|C列のフォント変更(プログラム6がTrueの場合)

            With Ws.Range("C" & i).Font
                .Size = 11
                .Bold = True
                .Color = vbRed
            End With

f:id:gene320:20210308203417p:plain

Withを使って記載をしています。

ここでは、シート2のセルCiのフォントを11, 太字,赤色にします。

Withを使うメリットは、記載を減らせる点です。記載を減らすことで、メンテナンス箇所を減らすことができます。

なおWithを使わずに記載することもできます。

            Ws.Range("C" & i).Font.Size = 11
            Ws.Range("C" & i).Font.Bold = True
            Ws.Range("C" & i).Font.Color = vbRed

Withにこだわる必要はなく、Withでプログラムを書けないといけないわけではありません。

しかしWithを使う人はいるので、Withの意味を理解しておくことは大切です。

プログラム9|C列に入力(プログラム6がFalseの場合)

        Else
            Ws.Range("C" & i).Value = "非該当"
        End If 
    Next

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以下で詳細を説明します。

Else

「そうではないなら」という意味です。ここでは、プログラム6の対になる条件分岐を指します。

要は、シート2のセルBiの値が「愛知販売」でなければ、プログラム9を実行します。

Ws.Range("C" & i).Value = "非該当"

シート2のセルBiの値が「愛知販売」でなければ、シート2のCiの値に「非該当」を出力します。

End If

End Ifは、「プログラム6のIf文」の終わりを意味する記載です。

Next

Nextは、「プログラム6のFor文」の終わりを意味する記載です。

プログラム10|プログラムの終了

End Sub

プログラム0の「Sub Excel_If()」と対になるプログラムです。

プログラム終了させる記載です。

「End Sub」を読み込むと、プログラムが終了します。

プログラムの解説はここまでです。

VBAについて詳しく理解したいなら

VBAを活用すると、仕事を効率化できる幅を広げることができます。

たとえば私が実際にVBAを活用して効率化してきた作業は以下の記事で紹介しています。

興味がある人は以下の記事もご覧ください。

www.fastclassinfo.com

動画でも解説しています。


エクセルマクロVBAで出来ることを15の事例で紹介|日常業務をラクにするヒントを見つけよう!

(音声が小さいので、ボリュームを上げてご覧いただければと思います)

VBAを自分で書けるようになる

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