仕事をしていると、「これは本当に必要なのか?」と感じたり、「前もって伝えておいてほしい」と言い返したくなりたくなるような業務を担当するときがあります。
このとき、心の中では無駄と思いつつ仕事をこなしていく必要があります。しかし、無駄だとわかっている仕事ほど、やりたくない業務はありません。
ただ、本当にダメな上司や先輩でない限り、無駄な仕事をさせてもいいと考えている人はいないはずです。
それでも、現実は無駄な仕事をしていることは少なくないのです。なぜ、このようなことが起こっているのでしょうか。
その原因は、「そもそも自職場が非効率的な仕事をしているのか把握できていない」や「生産性を上げようにも何をどのように変えていけばいいのか分からない」からです。
そこで、生産性が低い人や職場に見られる特徴や仕事を効率的にこなせるようになるためのコツやポイントを解説していきます。
仕事の効率化が必要!生産性の向上が必要な職場の5つの特徴
そもそも生産性とは、成果(アウトプット)/ 経営資源(人、物、金、時間)のことを指します。
そのため、「人、物、金、時間を投資しているのに、成果が上がらない」職場は生産性が低いといえます。
しかし、生産性の定義を理解したところで、自分の会社の生産性が低いかどうかを判断するのは簡単ではありません。
なぜなら、「人、物、金、時間」の費用対効果を定量的に判断するのは面倒だからです。
数字で管理してまで判断する気にならないのです。
そこで、今のあなたの職場やあなた自身の生産性が低いかどうかをチェックするために、非効率的な業務にみられる特徴を紹介していきます。
あなたの職場と照らし合わせて、自分自身の仕事の生産性をチェックしてみてください。
特徴1|個人に割り当てられる仕事量が多い
業務のノウハウが共有されず、一人の担当者に業務が偏(かたよ)る職場は生産的とはいえません。
なぜなら一人に集中することで、その人の体調を崩したり退職したりしたら、仕事が回らなくなるからです。
例えば、専門性の高い仕事があります。このような仕事は、特定の個人に頼ることになってしまいがちです。
特に英語関連の業務や判断が必要な業務は、特定の個人に頼ってしまうことが多いです。
その人がいないと仕事が回らない状況を作ってしまうと、その人がネックになって仕事が進まなくなってしまいます。
そのため、一人の担当者に業務が偏(かたよ)る職場は生産的とはいえないのです。
特徴2|仕事や作業の追加・出戻り・過剰品質が発生している
仕事のや作業のやり直しや追加が発生する職場、生産性が高いとはいえません。
なぜなら、どの程度のレベルの資料があればいいのかが明確に共有されていないからです。
たとえば、若手や新人が一つ一つの業務の出来を理解することは簡単ではありません。
それは、どのくらいのレベルの資料があれば、上司や取引先からOKをもらえるか分かっていないからです。
そのため、「このレベルでいいのか」と試行錯誤してしまい過剰品質の資料を作成したり、期日間際になって資料不足に気づいて仕事の出戻りが発生するのです。
このように、業務の品質基準がコロコロと変化すると、仕事にムリ・ムダ・ムラが生じるのです。
仕事の基準が各自の判断に委ねられており、共有できていない職場は生産性が高いとはいえません。
特徴3|やらなくてもいいタイミングで仕事を行う
一般的に、締め切り間近の仕事ほど優先順位が高くなります。したがって、締切に近い仕事から終わらせていく必要があるのです。
しかし、突発の仕事によって仕事が妨げられることがあります。
例えば、上司から急に依頼されたり取引先から無茶な要求をされるのです。
こういった急なお願いは、問い直してみると、来週で良かったりそもそもやらなくてよかったりします。
このような優先順位が低い仕事で「今、やらなくてもいいタイミングで仕事を行う」状況が多いと、非生産的な職場といえます。
特徴4|情報共有のルールが不明確になっている
ワードやエクセルで資料を作ることは多いです。そして、それらを保管するフォルダにはどんどん資料が増えていきます。
このとき、最新版がどこにあるのかをルール化しておけば、すぐに探し出すことができます。
しかし、多くの場合は作成者しか分からないフォルダに最新資料が保管されることになります。
ある人はマイフォルダに資料を保管したり、またある人はフォルダの奥深くに資料を作成したりするのです。
結局、最新版を見つけることができず、アウトルックからメールを引っ張り出してきて、作成し直すことになってしますのです。
このように、各人で異なる資料整理の方法をしてしまうと、情報共有がうまくいきません。
その結果、探すという無駄な仕事をしてしまうことになります。
特徴5|ホウレンソウの形式にこだわる
仕事では上司へのホウレンソウ(報告、連絡、相談)が大切と言われます。
もちろん重要なのですが、ホウレンソウの形式にこだわると、連絡すべき人や回数が増えます。そのため、非効率的な連絡をとることになってしまうのです。
例えば、上司から「これ、事前に聞いていない」と言われることがあります。
これを防ぐためにccでメールに入れておくことで対処する場合があります。
とくに、関連者が多いプロジェクトになると上司の数も増えます。その結果、ccに各課の上司がズラッと並ぶことがあります。
しかし、ccを入れれば入れるほど、連絡回数が増えます。そして、送信側は宛先漏れを気にしたり、受信側は膨大なメールを処理したりすることになります。
ホウレンソウにこだわるあまり、連絡のための連絡を行うようになるのです。これでは生産性は上がりません。
仕事を効率化するための3つのコツ・ポイント
それでは、仕事を効率化するためにはどのような対処をすればいいのでしょうか。
それは、仕事のやり方を見直すことです。
仕事のやり方とは、以下の3種類です。
TABLE>
仕事のやり方を見直すときは、上記の3つがあります。このとき、1やること>2やり方>3早さの順で、効率の度合いが上がります。
なぜなら、やることを変える方が仕事全体に与える影響が大きいからです。
例えば、無駄な仕事を一つやめるだけで、それに関わる人数分の仕事がゼロになります。
そのため、「やること」から見直すのが効果的です。
ただ、やることを見直すのは上司のような権限をもっている人ほど実践しやすいです。
一般社員が「この仕事はやめたほうがいいです」と提案しても、現実は難しい場合があるかもしれません。
その場合は、やり方や早さを変えるのがお勧めです。早さは自分がスキルアップすればいいので、周囲から反対されることがないからです。
そのため、あなたの状況にあわせて、実践しやすいものから試してみるのがいいでしょう。それでは、以下で具体的な効率化の方法を紹介していきます。
コツ1|やること|効率化の型を理解する
仕事の進め方には型があります。例えば、仕事を効率化するときに最初に考えるべきは、仕事を減らすことです。
なぜなら、無駄な仕事をカットできれば、その仕事分の時間が空くからです。その時間を生産性の高い仕事に充てることができるのです。
例えば、仕事のムダにも複数の種類があり、それらを理解しておけば、目の前の仕事がムダかどうかを判別することができます。
以下の記事で無駄の省くポイントを紹介しています。ぜひ読んでみてください。
以下の記事では、実際に効果のあった改善方法を紹介しています。
以下の記事では、効率化を行うときに必要な考え方を紹介しています。
このような型を理解しておくことで、仕事を効率化する勘を養うことができるのです。
コツ2|やり方|自動化、仕事を渡す
日々の仕事のやり方を見直すことで、効率化できることは少なくありません。
仕事を自動化したり、他の人に仕事を渡したりするのです。
例えば、請求書を手動で作成しているのを、パソコンで自動化すれば、大きな削減効果があります。
実際、エクセルマクロを使えば、エクセルが使えるパソコンであればすぐに始めることが可能です。
以下の記事で、エクセルマクロで出来ることを紹介しています。
また、仕事の手順書を書いて、他の人に仕事を渡すのは立派な効率化といえます。
例えば、時給3000円の人と時給1000円の人が同じ仕事を行っているとしたら、時給3000円の人の生産性は低いといえます。
そのとき、業務マニュアル(手順書)を書くことで、時給に見合わない仕事を他の人に渡すことができます。
手順書の書き方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
コツ3|早さ|パソコンスキルを上げる
仕事の早さを上げるのは、簡単で手早く実践することができます。
例えば、パソコンスキルを向上させることでパソコンを扱う速度を上げることができます。
仕事のやること、やりかたを変えるのに対して効果は劣りますが、これからスキルを上げていきたいと考えているなら、早さを上げることから始めてみてもいいでしょう。
その場合は、以下の記事を読んでみるのがお勧めです。
パソコン初心者であれば、以下の記事もお勧めです。
できることから効率化してみる
ここで紹介した内容は、学ぶだけでは足りません。何事も実践が重要です。
「学ぶ→試す→振り返る→学ぶ」のループを繰り返すことで、効率化の力を養っていくことが大切です。
私自身も含め、多くの人は学ぶことにフォーカスしてしまいがちです。しかし、頭でっかちの人間になっても仕事は効率化されません。
例えば、プロ野球の試合を画面で見て評論する人は確かに野球をよく知っています。しかし、そういった人が野球を上手にプレーできるかといえば、必ずしもそういうわけではありません。
私はこの記事を読んでいるあなたが評論だけにとどまらず、「学ぶ→試す→振り返る→学ぶ」のサイクルを実践することを信じています。