パソコンスキルの教科書

パソコンスキルの教科書

東京大学大学院卒。博士課程に進学を志すも、担当教授と折が合わず、無職になる。医者を目指すも結局断念。田舎で派遣社員として働く。「スキルがなければ、仕事ももらえない」と悟り、ビジネススキルを学ぶ。プログラミング、英語を学び、一部上場企業へ転職。年間100時間以上の業務効率化を行い、社内講師に抜擢。海外の案件を担当し、数億円のプロジェクトに携わる。個人の事業でも、月売上100万を達成。現在は、自分の価値を高めるためのスキル向上支援を行う

管理職とは?役割や定義から働き方(残業代や休日出勤)や英語スキルまで

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社会人経験を積むと管理職への昇進が見えてきます。

しかし管理職がどのように働いており、何を求められるのか分からず不安に思う人は少なくありません。

実際、私も管理職になる前は以下のような不安を感じていました。

●管理職に関する疑問や不安

・そもそも管理職とは何か? どのような役割が求められるのか?

・管理職に必要な条件とは?

・管理職は大変で残業代も出ないと聞く。管理職にはなるのは正しいのか。

・管理職になるには、何か資格が必要か?

・管理職に求められるスキルとは何か?

そこで、実際に管理職として働く筆者が以下についてお伝えします。

●この記事でわかること

・管理職の役割や心得

・管理職の労働条件や待遇

・管理職昇進に必要なこと

・管理職に必要な4つのスキル

私も管理職(マネージャー)になりたくなかった

今の会社に入社して10年近く、私はガムシャラに働いていました。

その結果、それなりに仕事をこなせるようになり管理職(マネージャー)への昇進が見え始めていました。

しかし、正直に言うと私は管理職になりたくありませんでした

なぜなら課長のような役職は中間管理職であり、上下からの板挟みになっていて大変そうだったからです。

管理職になった先輩社員を見ても、それほど楽しそうに見えなかったのです。

中には、週末も仕事をしてストレスを抱えている人もいました。

それだけではありません。管理職手当や家賃補助がなくなり、給料が下がったという話も聞いていました。

そのため私は会社からは評価されたい気持ちを持っていましたが、管理職にはなりたくなかったのです。

上司との面談で「管理職として会社に貢献してほしい」と言われる

ちょうどその頃、職場内の別チームに異動し上司が変わりました。

その新しい上司と面談したとき、「君は最短コースで管理職に上がれる可能性があるから、そのつもりで育てたい」と言われました。

しかし上述とおり、当時の私は管理職に良いイメージをもっていませんでした。

そこで思い切って「ありがたい話だけど、私はあまり管理職になりたくないです」と正直に気持ちを伝えることにしたのです。

すると、その上司から「もし会社員を続けるつもりなら、管理職を目指すべきだ」と説かれました

その理由は3つありました。

「管理職になるべき」と言われた3つの理由

理由1|管理職になった方が、仕事が断然面白いこと
理由2|管理職になると給料が上がること
理由3|管理職にならないまま長く会社にいると、居場所がなくなる

理由1|管理職になった方が、仕事が断然面白い

なぜなら、仕事のコントロール範囲が増え視点が上がるからです。

管理職になれば、権限と入手できる情報が変わるのです。

たとえば、一般社員は上司から与えられた仕事をこなす働き方になりがちです。

上司は部下に指示する権限があるため、通常は上司が組織の課題を分解して部下に仕事を与えます。

そのため入手できる情報が変わってくるのです。

そのためどれだけ優秀な社員だとしても、情報格差のせいで視点が低くなってしまいます

実際、管理職になって実感しましたが、社内の重要な情報は一般社員までいきわたっていません。

なぜなら、機密の漏洩リスクがあるため情報にフィルターがかけられるからです。

そのため、優秀な一般社員が自ら仕事を作ろうとしても、重要な情報が欠けているため、どうしても精度が低くなってしまうのです。

このように管理職になった方が仕事の視点が上がるため、仕事が面白くなると言われました。

理由2|管理職になると給料が上がること

管理職は「残業代がつかない」、「管理職手当がカットされた」などのネガティブな話を聞くことがあります。

しかし、実際は管理職の方が必ず給料は上がるとの話でした。

なぜなら、管理職になると責任範囲が増えるため基本給が上がるからです。

実際その上司も管理職になり年収は100万円以上増えたとの話でした

理由3|管理職にならないまま長く会社にいると、居場所がなくなる

なぜなら、年下の社員が管理職になっていくからです。

管理職にとって年長者の部下は扱いづらく、チーム内での扱われ方が微妙になっていきます

その結果、重要な仕事が任されなくなり仕事が面白くなくなっていくのです。

実際に私の部署を見まわしても、管理職になっていない年長者は惰性で仕事をしており、楽しんでいないように見えました。

このように上司から説かれ、私も管理職を目指すことにしました。

実際に管理職になって、当時上司が言っていたことは真実だったと感じました。

もちろん管理職になりたての頃は、求められている役割や心得がわからず戸惑いましたし、大変な思いもしました。

たとえば、「部下にどう仕事を振ってよいか分からない」、「部下の査定のつけ方がわからない」などです。

しかし、ある程度コツを覚えてからは管理職としての動き方がわかるようになりました。

実際、プレーヤーとしてではなく管理職として仕事をする醍醐味がわかるようになってきました。

また給料も150万円程度上がりました。たしかに残業代は出ませんが、基本給が上がったのです。

私は当初は管理職になりたくありませんでしたが、今では管理職になってよかったと感じています。

もちろん、管理職になって辛い部分もありますが、会社で生きていくなら管理職になれるタイミングでなるのが良いと強く感じます。

管理職はどのような評価を受けるのか? 私の場合で紹介

管理職は人をマネジメントする立場です。それでは、管理職がどのように評価されるか紹介します。

以前、社内で360°評価を受けた際、日ごろのマネジメント行動について上司、同僚、部下、関連部門からフィードバックを受けたことがあります。

参考までご紹介します。

●私の強み

・課題解決に必要なものを論理的に判断して行動計画を具体化すること

・技術力、論理性、指導力が高く、上司および関連職場から信頼が高いこと

・部下のモチベーションアップや他部門の支援を得ること

・他者の意見をよく聞き、意図や本質を引き出そうとしてくれること

・そのためチーム内で思い切ったことも自由に発言できる雰囲気ができている。

●改善してほしい点

・何かを成し遂げるために、ときには論理を外れた行動をとってみてもよい

もちろん私は自分にことを完璧な管理職などとは思っていません。

ただ、この360°評価の結果を見て一定の評価はいただいているのだと感じました。

さて、ここからは管理職の役割や定義について紹介していきます。

管理職とは? 定義や役割

役割1|予算管理と決裁権をもつ
役割2|部下の人事権をもつ査定をつける
役割3|組織の運営に責任をもつ

管理職とは、「従業員から経営・管理者の立場になる」ことです。

管理職は、企業によって呼び名が違うことがあります。たとえば、マネージャー、主任、課長などです。

しかし、呼び名はあまり意識する必要はありません。

なぜなら管理職に求められる役割は上記の3つであり、この役割を理解することのほうが管理職をより深く知ることができるからです。

以下で、3つの役割を詳細に解説していきます。

役割1|予算管理と決裁権をもつ

管理職は組織の責任者で独自の予算を持ち、決裁権を持ちます。

たとえば、会社全体で期首に予算編成します。

そのときに、課やグループが使う予算を勝ち取るために必要な予算を申請します

課やグループが成果を出すために必要なお金を手に入れるためです。

実際に私の勤務先でも期首に予算を申請し、部門に与えられた予算の中でグループごとの予算を調整します。

予算が認められれば、課の運営に必要なものは自分の判断で決済できるようになります。

一度に決済できる額は管理職のランクにより異なっています。

私の勤務先では、課長の決裁権は50万円です。

役割2|部下の人事権をもつ査定をつける

管理職は組織の管理者として部下の査定をつけます。

たとえば、係長でも部下を持ち日々の仕事の指示をするケースもあります。

しかし部下の査定をつけないのであれば、管理職ではありません。

実際、私が管理職になって戸惑ったことの一つは部下の査定でした。

管理職になる前は、メンバーの査定などの人事情報を見ることはありませんでした。

しかし、管理職になったとたんに部下の査定をつけることが求められました

実は、管理職になり一番始めに受けた研修で、部下の査定のつけ方を詳細に教わりました。

この査定のつけ方は、私と同様に戸惑う人が多いです。

役割3|組織の運営に責任をもつ

管理職は組織の運営に責任を持ちます。

言い換えると、出した結果で評価されるということです。

なぜなら、管理職になると経営者側の立場になるからです。

たとえば、管理職は勤務時間に縛られない裁量労働制で働きます。

もちろん基本給は支払われますが、原則としては「働いた時間」ではなく「出した成果」で評価されます。

そのため、どれほど長時間働いたとしても、結果が出なかったとしたら管理職の責任です。

そして、結果が出ていなければ期末の査定は低くなります

実際、私も課長になり裁量労働制で働いています。

先期はお客様側の都合で、継続していた開発が中断になってしまいました。

このようなとき一般社員は仕事のプロセスで評価されることもあります。

しかし管理職は結果で評価されます。そのため結果が悪ければ良い査定はつきません。

ここまで、管理職の役割を解説してきました。

では、管理職はどのような心得で仕事に臨めばよいかを説明します。

管理職の心得|チームで成果を出す

管理職として重要な心得は「人を介して事をなす」です。

つまり、チーム全体で成果を出すことに意識を向けるのです。

なぜなら、管理職になることは、プレーヤーではなく組織を管理し運営する立場になることだから。

たとえば、部下に仕事を振るときに「自分でやった方が早い」と思うことがあるかもしれません。

しかし、できる限り自分が手を動かすべきではありません。仮に単発の仕事としては自分でやった方が早いとしてもです。

たしかに実務も行う管理職としてプレイングマネージャーと呼ばれる働き方もあります。

この場合も部下がやる仕事と、自分が手を動かす仕事は明確に分けた方がよいです。

また手を動かす作業とは別に、管理職としての仕事の時間も確保すべきです。

つまり、部下ができる仕事は部下に任せ、管理職がやるべき仕事に時間を割くようにします。

具体的には、以下のような仕事に力を向けるようにします。

●管理職がやるべき仕事

・組織が置かれた状況を踏まえて今後の進め方を決める

・部下の特性に合わせ仕事の分担を考える

・社内外の関係者と調整や交渉してリソースを確保する

実際私は管理職に昇進した当時、プレイングマネージャーとして働きました。

このときに、部下に任せる仕事と自分が手を動かす仕事の境界をあいまいにしてしまい、部下の仕事まで私がやってしまったことがあります。

管理職になってからも部下の仕事まで手を出すと失敗する

なぜなら自分がやった方が早いと思っていたからです。

そして、管理職としてやるべきことを疎かにしてしまいました。

その結果、チームが進むべき方向性を見失い、成果を出せなくなってしまった苦い経験があります。

このときに管理職の心得として「人を介して事をなす」が重要だと実感しました。

次に、管理職の労働条件や待遇について解説していきます。

管理職の労働条件や待遇(残業代や休日出勤)の3つのポイント

ポイント1|管理職は36協定の対象外
ポイント2|管理職に残業代や休日手当はつかない
ポイント3|管理職になると年収は上がる

ポイント1|管理職は36協定の対象外

管理職は36協定の対象外です。なぜなら、管理職は裁量労働だから。

そもそも36協定とは「1日8時間、1週40時間を超えてはいけない(労働基準法32条)」の例外規定で、労働組合と企業が取り交わす協定です。

しかし管理職は労働基準法32条から外れるので、36協定の対象外となるのです。

つまり管理職になると、勤務時間で管理されない裁量労働の働き方になります。

実際、私も裁量労働で仕事をしています。

ポイント2|管理職に残業代や休日手当はつかない

管理職は残業代や休日手当はつきません。

なぜなら労働基準法で、「管理職には残業代(割増賃金)を払わなくて良い」と規定されているからです。

一方で、深夜の割増賃金を受け取る権利や、有給休暇を取得する権利はあります。

労働基準法の別の条項に規定があるからです。

実際に私も残業することもあるし、休日に家で仕事をすることもありますが、残業代はつきません。

それでは管理職になり労働時間が増えたかというと、むしろ残業時間は減りました。

なぜなら仕事をコントロールできる割合が増えたからです。

また、有給休暇の取得率もマネージャーになる前より増えています。

ポイント3|管理職になると年収は増える

残業代が出ないのなら、管理職になると年収が下がるのではと心配する人もいます。

しかし管理職になると一般的に年収は上がります。なぜなら基本給が増えるからです。

また企業によっては管理職手当が支給されるケースもあります。

そのため、残業代や休日出勤手当がなくなっても、トータルとして年収は増えます。

昇進前に、先輩の管理職から「管理職は残業代も出ないし住宅控除も減るから大変」と聞いたことがありました。

こんなことを言うのは、後輩から妬まれないようにするための予防線だったと後になって気づきました。

実際、私も管理職になって年収が150万円程度増えました

ここまで、管理職の労働条件や待遇について説明してきました。

次に、管理職に昇進するために必要なことを説明していきます。

管理職に昇進に必要な条件|資格(英語など)やスキル

条件1|過去の高い評価実績
条件2|TOEICなどの英語力
条件3|レポート、面接などの昇進試験

以下で詳細に説明していきます。

条件1|過去の高い評価実績

管理職に昇進するためには過去に高い評価を得ていることが必要です。

昇進試験を設けている企業もありますが、そもそも過去に高い評価を得ていないと、試験を受ける資格がありません

そして単発でのよい業績評価だけでなく、ある程度の期間高い評価が続くことが求められます。

なぜなら管理職を任せる人材には実力が必要だからです。

たとえば、たまたまある年だけよい業績を残した人がいたとして、その成果が本人の実力なのか、運がよかったからなのかわかりません。

また管理職になった後で部署異動になった場合、自分の専門分野以外の組織をマネジメントすることが求められます。

そのため仮に環境が変わったとしても、成果を出せる実力があるかを見極められるのです。

実際に私の勤務先の事例を紹介します。

部下の査定で評価される2つのポイント|私の会社の場合

評価1|成果
評価2|能力

社員の査定は上記の2つの軸で評価されています。

成果とは半期のうちに達成した結果です。

営業であれば売り上げ、開発であれば開発した商品などがあります。

しかし、たまたま運がよかったために成果が出るケースもあります。

そのため個々人の能力も評価しています。

能力とは仕事の進め方です。

具体的には、その人の専門力や論理性、コミュニケーション力、リーダーシップ力など。

そして、この能力の評価が一定の基準を満たしてはじめて昇進試験を受けることができます。

具体的な評価システムは企業により異なります。

詳しいシステムについて知りたい場合は、上司や先輩管理職に聞いてみるとよいでしょう。

さらに、親切な上司なら自分が今どのポジションにいて、昇進するためにどの位のギャップがあるかを教えてくれるはずです。

条件2|TOEICなどの英語力

企業によってはTOEICなどの英語力が昇進の条件として求められることがあります

なぜなら、日本企業もグローバル化が進んでいるからです。

顧客企業やパートナー企業が海外企業というケースが増えています。そのため、管理職に一定の英語力を求めるのです。

たとえば、日立製作所やSONYは課長クラスの昇進時にTOEIC650点以上が求められます。

実際に私の勤務先では課長昇進にTOEIC600点以上が求められています。

TOEIC600点に満たない同僚は、基準をクリアするために昇進試験と同時に英語の勉強をしていました。

基準は企業ごとに違うので、ご自身の勤務先の基準を確認してみるとよいでしょう。

条件3|レポート、面接などの昇進試験

昇進試験やレポートが求められることもあります。

なぜなら、会社は本当に管理職の資質や能力を持っているかチェックしたいからです。

たとえば「職場の課題と改善プラン」という内容で論文(A3一枚)を提出したりや、人事部による面接が設けられます。

実際、私の勤務先でも昇進試験がありました。

具体的には、自部門に関連する事業計画書をA3一枚にまとめたレポート提出です。

さらに、提出した事業計画書を元に面接も受けました。面接官は他事業部の部門長と人事部でした。

事業計画書には、自部門の現状と課題の分析と、それを踏まえた上の具体的な実行計画の記載が求められました。

課題設定力や高い論理性が求められる内容で、レポート作成には苦労しました。

当時の上司に指導してもらいながら、40回くらい書き直して最終版を仕上げました。

昇進試験の内容も企業ごとに異なるので、職場の先輩や上司に聞いてみるとよいでしょう。

ここまで管理職への昇進に必要なことを説明してきました。

次に、実際に管理職に必要なスキルを解説していきます。

管理職に必要な4つのスキル|マネージャー研修やトレーニングで学ぶこと

管理職に必要なスキルは4つあります

●管理職に必要な4つのスキル

スキル1|マネジメントスキル

スキル2|リーダーシップスキル

スキル3|課題設定スキル

スキル4|セルフマネジメントスキル

以下で詳細を説明します。

スキル1|マネジメントスキル

マネジメントを一言でいうと、「部下一人ひとりの特色を見つけ、それを有効に活用すること」。

管理職にとってマネジメントスキルは最も重要です。

なぜなら、組織のリソースを活かして成果を出すのが管理職の責任だからです。

そして、成果を出すためには、部下が能力を最大限に発揮することが不可欠なのです。

たとえば、分析が得意で一人で作業をするのが好きな部下に、新規開拓の営業を任せたとしても、結果は出ないでしょう。

人の得意不得意は、ある程度生まれつき決まっているからです。

そのため部下一人ひとりの強みを見極め、強みを最大限に活かすように業務を設計することがマネジメントの肝になります。

実際、管理職になって最初の研修で学んだのは、「部下一人ひとりの個性を知ること」でした

個性を知らないと部下の強みもわからないからです。

それ以降、部下を観察して、できる限り個人の得意分野を伸ばせる仕事分担にするようにしました。

たとえば、チャレンジングな課題に取り組むのが好きで得意な部下には、新しいことにチャレンジする課題を与える。

一方で、細かいことに気づく部下には、プロジェクトが失敗する可能性がある要素を洗い出し検証する役割を与えました。

このように部下一人ひとりの特色を見つけ、強みが活きるように仕事を割り振ることで成果が出やすくなります。

スキル2|リーダーシップスキル

リーダーシップとは、よりよい未来に向けて人々を一致団結させることです。

もっとシンプルに言うと、マネジメントが「守り」なら、リーダーシップは未来をつくる「攻め」のスキルです。

マネジメントスキルとリーダーシップのスキルは、どちらが優位という話ではなく使い分けが重要です。

マネジメントだけではなく、リーダーシップも管理職に求められるようになっています。

なぜなら、世の中の不確実性が増しているからです。

既存のリソースを使いこなし目の前の課題に対処するだけでは、企業はジリ貧になっていきます。

たとえば、かつて優良企業だった写真フィルムメーカーのコダックは経営破綻してしまいました。

産業自体が衰退する中、新しいビジネスを生み出せなかったからです。

このように、産業自体が突然死してしまう時代であるため、未来をつくるリーダーシップが求められているのです。

実際、私の勤務先でも管理職には「変革」を起こすことが求められています。既存の事業が飽和してきているからです。

部門や企業の全体像が見えるようになる管理職だからこそ、未来を描き人々を団結させて行動することが求められています

ここで重要なのは、リーダーシップにはさまざまなスタイルがあることです。

リーダーシップの形は人それぞれある

一般的にリーダーシップというと、スティーブ・ジョブズのようなカリスマ型リーダーをイメージします。

しかし、必ずしもカリスマを目指す必要はありません。

あくまで、カリスマは人々を団結させるための一つの手法にすぎないからです。

カリスマ型の他にも指示命令型、調整型、関係重視型、支援型など様々なスタイルのリーダーが知られています。

自分の個性に合わせたリーダーシップを見つけていくことが重要です。

実際、私は上司から「もっとリーダーとしてグイグイ引っ張っていってほしい」というフィードバックを受けたことがあります。

私なりのリーダーシップ|メンバーが強みを活かせる環境を作る

しかし、私の性格上グイグイ引っ張るリーダーシップの取り方は向いていません。

そのためメンバーの意見を引き出し、それぞれの強みを活かせるよう環境を整えチームを団結させるスタイルをとることにしました

上述した360°評価でも、私のスタイルは一定の評価を得ていることがわかりました。

自分自身の特性や周囲からのフィードバックを元に、自分なりのリーダーシップスタイルを築くのがよいでしょう。

スキル3|課題設定スキル

課題設定スキルとは、組織の現状とあるべき姿を描いて、具体的な実行プランを立てるスキルです。

マネジメントやリーダーシップを有効に使って成果に導くためには、課題設定スキルが必須になります。

なぜなら思いつきで的外れな実行計画を立ててしまうと、その後でいくら頑張っても結果は出ないからです。

入口を間違えてしまうと、いくら頑張っても出口にはたどり着けないのです。

たとえば、思いつきで事業計画や商品開発計画が立てられたとします。

そこにマネジメントやリーダーシップに優れた人が現れ仕事を進めると、組織は間違った方向に団結して邁進してしまいます。

そのため、管理職は正しく課題設定をすることが重要なのです。

実際、私が勤務する研究所でも毎年、研究計画を立てています。

この時には「なぜ取り組むのか(Why)」と「なにに取り組むのか(What)」が重視されます。 入口を間違えないようにするためです。

その後で「どのように取り組むのか(How)」を具体的に議論します。

具体的な実行計画も重要ですが、WhyやWhatは10倍くらい重要です。

このように管理職に課題設定スキルが求められます。

スキル4|セルフマネジメントスキル

管理職はセルフマネジメントできなくてはなりません。

なぜなら、自分が健全なメンタルでないと的確な判断ができないからです。

たとえば、自分の怒りに対する対処です。

とくに部下に怒って怒鳴り散らしてしまうと、信頼関係が崩れてしまうことがあります

また、怒った状態では正常な判断が下せなくなる。そのため、自分の怒りをマネジメントする必要があります。

このとき考えたいことは、「人がなぜ怒るのか」という根本原因です。

一番大きな原因として、その人の「べき論」があります。べき論とは「こうあるべき」という強い価値観です。

たとえば「時間に遅れるべきではない」など。

このべき論を持っていると、部下がミーティングに遅れてきたときに怒りを感じます。

そして怒りの沸点を超えると部下に怒鳴ってしまうのです。

ここで重要なことが2つあります。

怒りの原因はつねに自分にある

1つ目は怒りの感情をもたらしているのは自分自身であることです。

ミーティングに遅れてきた部下にあるのではなく、自らの「べき論」が怒りをもたらしているのです。

実際、遅刻しても仕方ないと考えている人は同じ状況でも特に怒りを感じません。

原因を解決して自分を成長させる

2つ目は怒鳴ってしまうという結果ではなく、原因に着目することです。

根本原因である自分の「べき論」にアプローチしないとセルフマネジメントはできません。

なぜなら表面的な現象を改善しようとしても、再び似た状況に直面するとまた怒りの感情が生まれるからです。

そのため、自らが持っているべき論を自覚して、ゆるめていくことが重要です。

実際、私の場合は「会議では意味のある発言をすべき」のようなべき論を持っていました。

そのため、会議で発言しない部下や本題と関係ない話をする同僚を見るとイライラしていました。

しかし、イライラした状態だと判断力が鈍ることに気づきました。

そのため、根本原因のべき論を自覚し対処しました。

イライラしてしまうことの原因や解決方法については以下で紹介しています。

www.fastclassinfo.com

管理職になって仕事の幅を広げ、年収を上げよう!

ここまで、管理職の役割、待遇、昇進に求められること、必要なスキルを解説してきました。

管理職にネガティブなイメージを持つ人は多いです。

実際に私もそうでしたが、せっかく企業で働くなら、今では管理職を目指したほうが良いと考えています

なぜなら管理職になるとントロール範囲が広がるので、仕事の面白味が増すからです。また、年収も上がります。

ぜひ管理職を目指して、本当の意味で仕事を楽しめるステージを目指してほしいと思います。