パソコンスキルの教科書

パソコンスキルの教科書

東京大学大学院卒。博士課程に進学を志すも、担当教授と折が合わず、無職になる。医者を目指すも結局断念。田舎で派遣社員として働く。「スキルがなければ、仕事ももらえない」と悟り、ビジネススキルを学ぶ。プログラミング、英語を学び、一部上場企業へ転職。年間100時間以上の業務効率化を行い、社内講師に抜擢。海外の案件を担当し、数億円のプロジェクトに携わる。個人の事業でも、月売上100万を達成。現在は、自分の価値を高めるためのスキル向上支援を行う

上司の信頼を得て相談やミーティングで話の主導権を握るときのポイント5つ

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上司への報告やミーティングで、話の主導権を握りたいと感じていながら、以下のように考えてしまう人は少なくありません。

・相手の質問にすべて答えることができるよう準備しておかないといけない
・分からないことはすべて調べた上で、資料を作らないといけない
・論理的に説明しないといけない

しかし、このように考えてしまうのは大きな間違いです。

実際、相手にロジックをモレなくダブリなく説明したり(MECE)、質問への対応を考えたりしてもダメなときはダメなのです。

なぜなら、相手が要求しているのは資料の完璧さではないからです。

そのため、上司にOKと言わせたいなら、大切なポイントを満たす必要があるのです。

そこで、この記事では話の主導権だけでなく、上司から信頼を得る方法をお伝えしていきます。

あなたが上司との間で主導権を握れない本当の理由

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あなたが主導権を握れない理由はシンプルです。

それは、あなたが上司の「本当に」達成したいことを理解していないからです

本当に達成したいことが分かっていないので、以下のことが発生するのです。

・この情報も必要かも。。。どうしよう、調べなきゃ…
・あれについて質問されたら、どうしよう…
・このレベルの資料でいいのかな…

いろいろな不安が生じてしまい、「こんな資料を出したら、上司の期待に応えることができない」と二の足を踏んでしまうのです。

そして不安によって、余分な準備を重ねているうちに、報告がぎりぎりになる。

やっとのことで、報告したはいいけれど、上司からコメントをもらってしまって、やり直しになってしまうのです。

その結果、「ああ、またやってしまった」と自己嫌悪というパターンを繰り返すことになるわけです。

しかし、このパターンに陥っている原因は、上司の要望を理解していないからです。これがすべてです。

つまり、この悪いパターンから抜け出すためには、あなたが上司の「本当に」達成したいことを理解することに尽きるのです。

「上司(ボス)」との関係で主導権を握る5つのポイント

ここまで、お伝えした通り、「上司(ボス)」との関係で主導権を握るには、あなたが上司の「本当に」達成したいことを理解することが最優先です。

しかし、上司の「本当に」達成したいことを理解するには、どうすればいいのでしょうか?

ここでは、上司の「本当に」達成したいことを理解するためには、抑えておくべきポイントをお伝えします。

このポイントを抑えておかないと、主導権を握ることはおろか、「あいつは仕事ができない」というレッテルを貼られてしまいます。

それでは、そのポイントとは何でしょうか。それは以下の5つです。

ポイント1|「上司と部下」は「顧客と販売者」の関係
ポイント2|上司も完成形を見えていないと考える
ポイント3|フィードバックを3回もらう
ポイント4|信頼を損う最大要因は自分自身の完璧主義
ポイント5|資料作成や調査の早さを上げる

以下で詳しく紹介していきます。

ポイント1|「上司と部下」は「顧客と販売者」の関係

重要なポイントとして、主導権を握るときに意識することを紹介します。

目指すところは、「顧客と販売者」の関係です。

なぜなら、販売者の立場で考えれば相手のほしいものを本気で考えるようになれるからです。

ここでは、イメージしやすくするために、車の購入シーンで考えてみます。

例えば、あなたが車を買うとき、求める車の条件があるはずです。

  • 燃費
  • 価格
  • 機能
  • 車種
  • 乗り心地

このとき、あなたが「価格を気にしている」のに、セールスマンが乗り心地の話ばかりしてきたら、どうでしょうか。

「いや、まあ、それも大事ですが…(分かってねえなあ)」となりますよね。

逆に、 セールスマン「どういった条件でお探しですか?」と聞かれて
あなた「〇〇の価格くらいです」
セールスマン「それなら、これくらいの機能は持たせることができますよ」

と話を進められたら、どうでしょうか。

「そうなんですね。その機能は・・・」とさらに聞きたくなるはずです。

つまり、あなたが車を買いたいとき、セールスマンから価格について何も語ってくれないなら、「分かってくれないセールスマン」とレッテルを貼るわけです。

これが、仕事でも起こっているのです。

つまり、上司(顧客)の要望を聞かずに、あなたよがりの資料を作ってしまうと、「こいつは分かってくれない」というレッテルが貼られるということです。

しかし、これはあなた自身もいきなり「乗り心地の話をするセールスマン」と同じことをしているのです。

ポイント2|上司も完成形を見えていないと考える

次に押さえておきたいのが、上司(ボス)自身さえも本当にやりたいことが分かっていない場合があることです。

なぜなら仕事では全容を理解しないまま、動かないといけない場合があるからです。

例えば、「○○という課題があるので解決する」という仕事をやることになったとします。

このとき、まず○○という課題の原因を調査する必要があります。しかし、その原因が分かっていないからこそ、困っているのです。

実際、なんとなくやりたいことは分かっていても、明確に「これだ」とわからないことは少なくありません。

そのため、上司(ボス)自身さえも本当にやりたいことが分かっていない場合があることを考慮して、仕事を進めていく姿勢が大切です。

そこで、以下のような質問をしながら、上司の真意を汲み取っていくのがコツです。

・その指示の背景は何ですか?
・困っていることは何ですか?

こういった質問をして、やりたいことを少しでも、上司の目的を理解するように努めます。

ポイント3|フィードバックを3回もらう

上司との話で主導権を握りたいときに意識したいことは、仕事を始めてから終わりまで3回フィードバックをもらうことです。

具体的には、以下です。

1回目|方向性が見えた段階
2回目|資料の流れや全体像ができた段階
3回目|資料ドラフト完成(誤記があり)した段階

この3回でフィードバックをもらう理由は、追加の要望がくるからです。

例えば、仕事では資料ができると、グラフが見づらかったり、資料はここまで見せない方がいいなどの修正点が見えてくるものです。

しかし、いきなり完成形を作ってしまうと、上司からのフィードバックをもらった段階でゼロに戻ってしまいます。

そのため、時間切れで残業対応せざるを得なくなってしまうのです。

そこで、追加要望がくることを見越して、以下の3段階でフィードバックをもらいながら進めるのが賢い進め方です。

こうすることで、上司の要望をどんどん入れ込んで、起動修正をしていきながら質の高い資料を作成できるのです。

もちろん、経験が増えてきたらフィードバックの数を減らして進めて問題ありません。

ポイント3|信頼を損う最大要因は自分自身の完璧主義

上司の信頼を得て、会話の主導権を握りたいと考えているとき、もっとも厄介なのは自分自身の完璧主義です。

なぜなら、完璧を目指せば目指すほどゴールから遠ざかっていくからです。

例えば、自分が完璧にしたい部分と上司が完璧にしてほしい部分は違うことがあります。

実際、ポイント1で紹介した通り、車を買いに来た人(購入者)が価格を気にしている場合、セールスマンに乗り心地を訴求されてしまうと、購入者は違和感しか感じません。

これは、車を買いに来た人(購入者)は価格を完璧にしてほしいと思っている一方で、セールスマンは乗り心地の完璧さを伝えたいと思っているのです。

このように、自分自身の完璧を求めると、方向が大きくずれてしまいます。

また、上司の意向を取り入れた資料を作成しても、フィードバックをもらうことを嫌がる人もいます。

このように考える人は、以下のように感じることが多いです。

「こんな質問するな」と怒られるかも…
「忙しいのに余計な仕事をお願いするのは気が引ける」…

もちろん、上司の機嫌やタイミングを読んだほうがいいときもあります。ただ、ポイント2の通り、上司の要望は資料を見るたびにアップデートされていくものです。

そのため、フィードバックを定期的にもらうのは大切です。

実際、「こう考えて作りました。〇〇さん(上司)の考えをすりあわせて、やり直しをなくせるように進めたいので、一度フィードバックをいただきたい」と伝えれば、だいたいの上司は理解してくれます。

このように上司の信頼を得るときに邪魔するのは、実は自分自身の完璧主義によるところが多いです。

注意しておくだけで、主導権を握りやすくなるので覚えておくと役に立ちます。

ポイント4|失敗にも付き合う

上司と話をしていると、「それは違うな」や「失敗しそう」と感じるときがあります。

上司が間違えているかもしれないと気づくのです。そのときは、「以前は○○でしたが、これで問題ないですか」と聞くのが重要です。

しかし、「これでいく」と言われた場合は、それに付き合って進むことが大切です。

なぜなら、反対して自分一人で頑張ってもうまくいかないからです。

例えば、上司に反対された状態では、周囲の協力が得られません。それで、強引に進めたところ、孤立して頓挫(とんざ)してしまいます。

実際、私も一人で頑張ろうとしたことがありますが、一人でやってうまくいくほど仕事は簡単ではありません。

意見は言いつつ、最終的には上司の判断で最善を尽くすというスタンスが結果につながるものです。

同時に、上司からの信頼を得ることができるので、反対してでも自分を貫くという完璧主義は持つのはお勧めしません。

ポイント5|資料作成や調査の早さを上げる

上司の要望にタイムリーに応えていくには、それなりの資料作成の早さが必要になってきます。

このとき、パソコンスキルがあると資料作成を大幅に早くできます

なぜなら、仕事のほとんどはパソコンで資料を作るからです。

例えば、1000を超えるデータを分析して表を作るとします。多くの人は、エクセルの機能(フィルターや関数)を使って資料を作成を試みます。

そのため、データ分析一つにも時間がかかってしまいます。このとき、最初のデータ分析結果でOKが出れば問題ありません。

しかし、結果を見て、「○○の可能性はないのか?」や「これも見てほしい」と言われたとします。

もう一度、作業をやり直しです。一日に一回分析していては時間が足りません。

そこで、エクセルマクロのようなスキルをもっておくと役に立ちます。エクセルマクロとはエクセル仕事を自動化する機能です。

以下の動画は、請求書作成を自動化した事例です。ボタン一つで処理が終わるように仕組み化しています。


エクセルマクロについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

www.fastclassinfo.com

他にも、パソコン仕事を全般を早くする時短テクニックを知っておくだけで、資料作成がかなり早くなります。

パソコンを早く操作できるようになるテクニックは以下の記事で詳しく解説しています。

www.fastclassinfo.com

上司の要望に早く応えるほど、信頼が上がります。それを理解したうえで、パソコン仕事を早くするテクニックを磨いておくことをお勧めします。

資料を提出して何も言われなくなったら、信頼されている証拠

ここまでお伝えしてきた通り、上司の信頼を得て話の主導権を握るときのポイントは以下の5つです。

ポイント1|「上司と部下」は「顧客と販売者」の関係
ポイント2|上司も完成形を見えていないと考える
ポイント3|フィードバックを3回もらう
ポイント4|信頼を損う最大要因は自分自身の完璧主義
ポイント5|資料作成や調査の早さを上げる

これを実践していけば、上司から信頼され、話の主導権を握れるようになっていきます。

それを見極める方法は、資料を提出して何も言われないかどうかです。

なぜなら、上司が何も言わずに資料を受け取るのは、コメントしなくても問題ないものを毎回出す人と思われているからです。

例えば、毎回データ分析を間違える人の資料であれば、必ず誰かもう一人はチェックをさせるものです。

もっと言えば、担当を変えるはずです。

それにも関わらず、資料チェックもせずに受け取るのであれば、信頼されて任されていることの証と言えます。

そのため、上司が何も言わずに資料を受け取るようになるまで、上記のポイントを試しみてみることをお勧めします。

まとめ

最後にこの記事の内容をまとめます。

  • 上司との話で主導権を握るには、上司の信頼を得ること。

  • 上司の信頼を得るには、上司の要望を満たすこと。

  • 上司自身も、要望を具体的に形にできているとは限らない。

  • まずは上司の悩みや達成したいことを聞いて、早めに形に。

  • 形にして、上司からのフィードバックをもらいながら修正を続ける

これは、上司にとっては、自分が主導権を握っているように見えます。

しかし、裏ではあなたが主導権を握っている関係です。

この関係であればお互いwin-winのため、ストレスフリーで仕事ができるようになります。