Excel関数でいえば、「=sum(C2:C21)」とすれば、合計値を出力することができます。
しかしVBAを使う場合、どのようにプログラムを作ればいいのでしょうか。
本記事では、そのプログラム作成について詳しく紹介していきます。
・Excelのsum関数をVBAプログラムで作成
それでは以下で詳しく紹介していきます。
VBA作成前の準備
ExcelでVBAを使うためにはいくつかの準備が必要です。
具体的には以下です。
1. Excelファイルを「.xlsm」として保存
2. 開発タブを追加
上記に関しては、以下の記事で解説をしています。
もしVBAを使うための準備段階に不安がある人は上記をご覧ください。
なお、以下の動画でも紹介しています。
入門エクセルマクロの使い方｜マクロ作成から実行までを徹底解説
詳細を知りたい人は動画をご覧ください。
Excel VBAでSUM関数を作ってみる
今回は以下の作業をVBAで行います。
セルC2~セルC21の数値の合計をセルG2に出力
VBAのプログラムソース解説
今回紹介するプログラムの概要は以下です。
'プログラム0｜変数宣言の指定 Option Explicit 'プログラム1｜プログラム開始 Sub Excel_Sum() 'プログラム2｜最終行の取得 Dim Cmax As Long Cmax = Range("A65536").End(xlUp).Row 'プログラム3｜変数設定 Dim Goukei As Long Dim Kingaku As Long Dim i As Long 'プログラム4｜C列の金額を計算 For i = 2 To Cmax Kingaku = Range("C" & i).Value Goukei = Goukei + Kingaku Next 'プログラム5｜G2に合計を出力 Range("G2").Value = Goukei 'プログラム6｜ファイル保存 ThisWorkbook.SaveAs Filename:=ThisWorkbook.Path & "\Sample1.xlsm" 'プログラム7｜プログラム終了 End Sub
以下で詳しく説明しています。
プログラム0｜変数宣言の指定
Option Explicit
「Option Explicit」とは、変数宣言を強制するためのものです。
これを入れておくと、変数を定義していない場合、エラーが出ます。
変数宣言とは、「Dim XXX」のように変数を定義すること
「Option Explicit」を入力しておくことで、たとえば「Dim Kingaku」をあらかじめ入力しないと、「Kingaku」という変数を使えません。
もし「Option Explicit」を入力しているのに、「Dim Kingaku」を書かずに「Kingaku = Range("C2").Value」と書くと、エラーメッセージが表示されます。
「Option Explicit」を入れる理由
実は、この機能はあくまでオプションです。「Option Explicit」を入力しなくても、プログラムは動きます。
しかし、これを入れておくことで、変数の誤記によるエラーを防止することができます。
結果的に、プログラム作成速度が上がるので、「Option Explicit」を入力することを習慣化することをオススメします。
プログラム1｜プログラム開始
Sub Excel_Sum()
「Sub Excel_Sum()」のプログラムを開始することを意味します。
VBAではプロシージャという単位でプログラムを呼び出します。
プロシージャの構文は下記となっています。
Sub プロシージャ名() End Sub
「Sub」で始まり「End Sub」で終わります。
「Sub XXXX」の「XXXX」の部分がプロシージャ名です。
今回は「Excel_Sum」というプロシージャ名にしています。
このプロシージャ名はあらゆる文字（アルファベット、ひらがな、漢字、数字など）が使用可能です。
ただし、プロシージャ名の先頭は数字を入れるとエラーとなります。
あとで見たときに、「何のプログラムだったのか？」とならないようにするためです。
なお、「()」の中には何も記入されていません。これは引数なしという意味です。
初心者の内は、引数ということが分からなくてもVBAプログラムを書くことは可能です。
興味があれば、「VBA 引数」で検索して調べてみてください。
プログラム2｜最終行の取得
Dim Cmax As Long Cmax = Range("A65536").End(xlUp).Row
「Cmax」をLong(整数)型で定義します。
「Cmax = Range("A65536").End(xlUp).Row」とすることで、Excelの最終行を取得することができます。
ここでは21行目が最終行なので、「Cmax=21」となります。
「Debug.Print(Cmax)」で検証できます。（以下のとおり）
Dim Cmax As Long Cmax = Range("A65536").End(xlUp).Row Debug.Print(Cmax)
実行結果
>>>21
このCmaxの値はプログラム4で活用します。
プログラム3｜変数設定
Dim Goukei As Long Dim Kingaku As Long Dim i As Long
プログラム4以降で使用する3つの変数を宣言します。
すべてLong(整数)型で宣言します。
なお以下のように、1行で宣言する方法もあります。
Dim Goukei As Long, Kingaku As Long, i As Long
記載量を減らしたいなら、上記でも問題ありません。
プログラム4｜C列の金額を計算
For i = 2 To Cmax Kingaku = Range("C" & i).Value Goukei = Goukei + Kingaku Next
「For i = 2 to Cmax」は、「i =2,3,4,・・・, Cmax」のようにiに1ずつ加算しながら、ForとNextの間の処理を繰り返し実行していきます。
「Kingaku = Range("C" & i).Value」で、セルCiの値を、変数Kingakuの値とします。これでC列の値を一つずつ取得していきます。
「Goukei = Goukei + Kingaku」で、変数Goukeiに変数Kingakuの値を加算していきます。「Goukei = Goukei + Kingaku」の記載に違和感を感じる人は以下のように覚えると良いです。
ヒント：右辺を先に計算して、左辺の値を更新する。
たとえば：「A = A + B」とある場合、右辺(A+B)を左辺(A)にする。
ちなみに、Debug.Printを使って値を出力すると、以下のようになります。
For i = 2 To Cmax Kingaku = Range("C" & i).Value Goukei = Goukei + Kingaku Debug.Print ("i=" & i & " Kingaku：" & Kingaku & " Goukei：" & Goukei) Next
実行結果
>>>i=2 Kingaku：-26845 Goukei：-26845 >>>i=3 Kingaku：15973 Goukei：-10872 >>>i=4 Kingaku：-1660 Goukei：-12532 >>>i=5 Kingaku：3152 Goukei：-9380 >>>i=6 Kingaku：5884 Goukei：-3496 >>>i=7 Kingaku：-74000 Goukei：-77496 >>>i=8 Kingaku：2000 Goukei：-75496 >>>i=9 Kingaku：-14000 Goukei：-89496 >>>i=10 Kingaku：3000 Goukei：-86496 >>>i=11 Kingaku：68000 Goukei：-18496 >>>i=12 Kingaku：-12000 Goukei：-30496 >>>i=13 Kingaku：-2000 Goukei：-32496 >>>i=14 Kingaku：223 Goukei：-32273 >>>i=15 Kingaku：-4000 Goukei：-36273 >>>i=16 Kingaku：12000 Goukei：-24273 >>>i=17 Kingaku：366012 Goukei：341739 >>>i=18 Kingaku：-60858 Goukei：280881 >>>i=19 Kingaku：-14024 Goukei：266857 >>>i=20 Kingaku：210000 Goukei：476857 >>>i=21 Kingaku：3188 Goukei：480045
プログラム作成過程で、上記のような確認をしながら進めると効率的です。
For Next構文について
For Next構文は下記となっています。
For 変数 = 開始 to 終了
XXXX
Next
For Next構文の説明は以下のとおりです。
1. 「For」で始まり「Next」で終わる
2. 「変数」は「For」から「Next」までの処理を終えたら、値が1加算される
3. 「変数」は「開始」の値で始まり、「終了」の値での処理が終わったら、完了
For Next構文は使用頻度が高いので、使えるようになると威力を発揮します。
プログラム5｜G2に合計を出力
Range("G2").Value = Goukei
プログラム4で合計したGoukeiをセルG2に出力します。
プログラム6｜ファイル保存
ThisWorkbook.SaveAs Filename:=ThisWorkbook.Path & "\Sample1.xlsm"
「ThisWorkbook.SaveAs」で新しいファイルとして保存することができます。
「Filename:=ThisWorkbook.Path & "\Sample1.xlsm"」で「ファイル名は、開いているエクセルファイルと同じフォルダにSample1.xlsmとして保存」させることができます。
これで、今開いているExcelファイル「Sample.xlsx」を「Sample1.xlsx」として保存します。
プログラム7｜プログラムの終了
End Sub
プログラム0の「Sub Excel_Sum()」と対になるプログラムです。
プログラム終了させる記載です。
「End Sub」を読み込むと、プログラムが終了します。
プログラムの解説はここまでです。
VBAについて詳しく理解したいなら
VBAを活用すると、仕事を効率化できる幅を広げることができます。
たとえば私が実際にVBAを活用して効率化してきた作業は以下の記事で紹介しています。
興味がある人は以下の記事もご覧ください。
動画でも解説しています。
エクセルマクロVBAで出来ることを15の事例で紹介｜日常業務をラクにするヒントを見つけよう！
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VBAを自分で書けるようになる
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