パソコンスキルの教科書

パソコンスキルの教科書

東京大学大学院卒。博士課程に進学を志すも、担当教授と折が合わず、無職になる。医者を目指すも結局断念。田舎で派遣社員として働く。「スキルがなければ、仕事ももらえない」と悟り、ビジネススキルを学ぶ。プログラミング、英語を学び、一部上場企業へ転職。年間100時間以上の業務効率化を行い、社内講師に抜擢。海外の案件を担当し、数億円のプロジェクトに携わる。個人の事業でも、月売上100万を達成。現在は、自分の価値を高めるためのスキル向上支援を行う

これからエクセルマクロVBAを勉強する初心者へ伝えたい3つのこと

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・毎日の同じようなエクセル業務ばかりで、「またこれか…」と嫌気が指している。
・エクセルマクロを使えば、もっと効率良く仕事ができるのではないか
・今までできなかったこともエクセルマクロVBAを作れるようになれば解決できるはず
・周囲にマクロを使って、仕事を大幅に効率化している人がいる

これからエクセルマクロを学ぼうと考えている人は、こういった悩みや期待をもっていることでしょう。中には、ウェブや本を使って勉強を始めている人もいるかもしれません。

しかし、いざ勉強を始めてしてみると、思い描いていたようにはマクロを習得できない現実に直面します。そして多くの場合、マクロの本や教材が本棚の奥にしまわれてしまいます。

実際、マクロを使って仕事を効率化できるようになるのは10%もいないでしょう。

なぜ、思い描いていたようにマクロを書けるようにならないのでしょうか。

それは、マクロを書けるようになるにはいくつかのポイントが必要だからです。そのポイントを知らない初心者は、必ずといっていいほど学習を継続できません。

逆に言えば、そのポイントを理解しておくことで、マクロを確実にモノにすることができるようになります。

この記事では、これからエクセルマクロVBAを勉強する初心者に知っていてほしい3つのポイントを紹介します。

ポイント1|コピペではなく、自分でマクロを編集する力を磨く

書店に行ったりウェブで検索したりすれば、エクセルマクロVBAに関する情報をカンタンに入手することができます。また、手元にエクセルさえあれば、すぐにエクセルマクロを試すことができます。

少し調べれば、数時間程度で、セルに数値を入れたり色つけしたりするようなマクロを作成できます。カンタンな作業なら、ウェブや本の情報をコピペして、実務で使うことも可能です。

しかし、誰もがある問題にぶつかります。それは、自分で編集できないことです。たとえば、ウェブや本の情報だけを頼りにしていると、あなたの仕事にカンペキに合致するマクロはほとんどありません。

そのため、ウェブや本の情報をもとにして、自分で応用したりアレンジしたりしなくてはならなくなります。そして、エラーが発生しうまく動かない状況に陥るのです。

本やウェブのサンプルコードが、あなたの仕事にそのまま使えない理由はこちらの記事で詳しく解説しています。

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参考にしたサンプルコードのエラーを解消できないと、以下の流れで学習の意欲が失われていきます
-編集・アレンジができないから、応用したり難しいことは出来ない
-最初から学び直そうと思っても、勉強には時間が掛かりそう
-結局時間がないので、とりあえずこのままで
-レベルアップしないので、いつまで経っても編集・アレンジができない

しかし、これは仕方がないことです。その理由は、ウェブや本で紹介されているエクセルマクロVBAの情報は、体系立てられていないからです。

たとえば、数学を勉強する場合、中学校1年生が微分を学ぶことはありません。それは、数学初心者がいきなり微分を学んでも理解できるはずがないからです。

これはエクセルマクロでも同じです。マクロにも学ぶべき順番があります。順番通りに進めれば、1,2ヶ月で実務で使えるレベルに到達できます。

しかし、初心者はマクロに学ぶべき順番があることを知りません。そのため、自分で編集できないようなレベルのマクロをコピペして使おうとます。

そのため、エラーが発生すると何も手出しができなくなるのです。こういったことはウェブや本では紹介されていません。

ただ、エクセルマクロの学び方には順序があり、初心者が確実にレベルアップできる順番で学ぶことをオススメします。

そうすれば、少しずつ編集できるマクロの幅が広がり、難易度の高いマクロも理解して編集できるようになります。

ポイント2|マクロはプログラムではなく考え方を学ぶ

エクセルマクロを習得するには、プログラムを理解しないといけないと感じている人は少なくありません。

ただ、プログラムを覚えることは重要ではありません。なぜなら、プログラムやコードはウェブで調べれば、すぐに見つけることができるからです。

実際、私はマクロを書けるようになった今でもウェブで調べながら、プログラムを書いています。調べれば分かることはさほど重要ではないのです。では、重要なのは何でしょうか。

それは、プログラムの組み方・考え方を学ぶことです。言い換えると、効率化したい仕事を見つけたときに、どのようにプログラムを組むのかを見抜く力です。

たとえば、試験に合格するためには、「どれだけ暗記しているか」よりも「設問の意図・背景を読み解く力」のほうが大切です。なぜなら設問の意図を把握しないと、正しい解答ができないからです。

これはマクロも同じです。プログラムをどれだけ暗記しても、まったく意味がありません。それよりもマクロの構成を考える力のほうが重要です。

マクロを習得できない人ほど、ウェブで調べれば分かるようなプログラムばかり学ぼうとします。しかし、マクロを書けるようになる人は、プログラムそのものではなく考え方を真似しようとします。

より具体的に言うと、「ウェブのプログラムがどういう考え方のもとで書かれているのか」を考えた上で、自分のプログラムに活かそうとします。

そして、ウェブのプログラムの意図を知った上で、自分のマクロに活かせる部分を見抜くのです。こうすることで、高いレベルのマクロが書けるようになります。

マクロを作るときの考え方はこちらの記事で紹介していますので、あわせて読んでみてください。

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ポイント3|より少なく、より成果の出る順に学ぶ

「80:20の法則」を聞いたことがある人がいるかもしれません。この法則は、成果の80%は努力の20%によってもたらされるという法則です。たとえば、営業部門の売り上げの80%は、部門の20%のメンバーからもたらされます。

これは、マクロを学ぶときも同じです。実は、本やウェブでマクロを学ぶとき、その80%は成果につながりません

たとえば、マクロのプログラムでrangeとcellsがあります。この2つは、同じことを意味していて、どちらかを学んでも大きな違いはありません。

そのため、rangeを学べばcellsを学ぶ必要はないのです。しかし、多くの人は「両方とも学んでおかないといけないのでは?」と不安になります。そのため、ムダに勉強時間を増やしてしまうのです。

配列も同じです。マクロには配列という考え方があります。ただ配列を学ばなくても、請求書作成マクロやグラフ作成マクロを書けるようになります。

しかし、一度配列を学んでおかないといけないと思いこんで、勉強を始めてしまうと、挫折の原因になってしまいます。

逆に、for nextやifといったプログラムは必須です。これを学んでおかないと、マクロの力を十分に発揮できません。そのため、for nextやifは重点的に学ぶ必要があります。

このように、マクロには学ばなくてもいいことがたくさんあり、絶対に押さえておかないといけないことがあります。こういった事実を知らないと、教科書のすべてを知らないといけないと思いこんでしまうのです。

ただ実際は、教科書の20%を学べば、仕事で使えるマクロは十分に書けるようになります。マクロを効率的に学ぶ方法を取り入れて、学ぶ量を少なくして、十分な成果を出せるような学び方をするのが重要です。

エクセルマクロの学び方に関する詳細な解説はこちらの記事を参考にしてみてください。

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最後に|なぜマクロを学びたいかを問い直す

マクロ初心者の人に知ってほしいポイントは上述した3つです。ですが、最後にもう一つだけお伝えしたいことがあります。そして、これがもっとも重要なポイントです。

それは、マクロを習得することで「本当に得たいことは何か?」を問い直すことです。

たとえば、「仕事をラクにしたい」のがマクロを習得したい理由かもしれません。しかし、本当の理由はそれだけではないはずです。もっと人には言えないような野心的な願いがあるはずです。

実際、私の場合は「年収を上げたい」、「もっと仕事ができると評価されたい」と思っていました。

実は、私にはマクロではなく英語を習得する選択肢もありました。

しかし、私はマクロを選びました。それは私が働いていた職場では50人ほどいましたが、英語ができる人はいても、エクセルマクロを使える人はゼロだったからです。

もし、エクセルマクロを使えるようになれば、仕事で評価され年収も上がるに違いない。ここで成果を出せば、転職も可能だと考えたのです。

このような欲があったからこそ、プログラムのエラーが発生しても「何とかしてやる」と思うことができました

マクロ作成に慣れてからは、ややこしいプログラムも実現できるようになりました。ただし、その慣れるまでは、何度も失敗しました。途中で、イヤになって勉強を止めたこともあります。

しかし、それでも立ち直って学習を継続できたのは、マクロで成果を出して「年収を上げたい」と本気で思っていたからです。

特に、学習の始めの頃は、エラーが頻発します。それを乗り越えるには、継続する原動力が必要です。この原動力が本物であればあるほどマクロ習得に近づきます。

人によっては「モテたい」、「年収をあげたい」、「もっと自分の時間がほしい」といった理由かもしれません。いずれにせよ、大切なことは、「なぜマクロを学ぶのか?」、「どうなりたいか?」という強い欲求です。

マクロ学習に関するテクニックはたくさんあります。ここでは、3つのことを紹介しました。

ポイント1|コピペではなく、自分でマクロを編集する力を磨く
ポイント2|マクロはプログラムではなく考え方を学ぶ
ポイント3|より少なく、より成果の出る順に学ぶ

この3つは重要ですが、本当にマクロ習得できるかどうかは、「年収を上げたい」、「もっと仕事ができると評価されたい」といった欲望によるところが多いです。ぜひ、ここでお伝えたしたことを踏まえて、マクロを勉強してみてください。

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「マクロの力を実感したい」と感じているなら、こちらの記事がオススメです。マクロが入ったエクセルファイルをダウンロードできるようにしています。もし詳細が知りたいなら、以下の記事で紹介していますので、合わせて読んでみてください。

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サンプル2|エクセルで在庫管理するマクロ
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ぜひご活用ください。

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